去年、浦和の浦和商業高校の先生から連絡があって学校のすぐ脇の木立にタヌキがいて、センサーカメラにもよく写るし、ため糞場もあるとのことでした。行ってみるといくつかの点で面白そうなので定期的に糞を集めてもらい、分析することにしました。
面白そうというのはこの場所が次のような特徴があるからです。
1)学校のすぐ脇ということは夜は人がいない、ゴミなどがない
2)すぐ隣に白幡沼という沼がある
3)浦和のこの辺りは急速に開発が進んだ場所で緑地が乏しく、典型的な都市環境である
沼側から見た景観です。
資料を見るとこの半世紀でいかに変化したかが一目瞭然です。
1961年にはまだ新幹線はなく、地図の南側は一面の田圃で、東側には雑木林がたくさんありました。北西を中心に宅地があり、中央部に学校がいくつかあり、文京地区でした。それが現在は、あまり変わらないのはその学校と白幡沼で、全面を宅地が覆い、水田はビル街になりました。新幹線、武蔵野線、東西、南北に走る道路ができて、交通の要所になって都市化が進みました。そして、白幡沼と学校が島のように残り、そこにタヌキが生き延びている、そういう場所だということです。