自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

帰国しました

2013年06月30日 | ごあいさつ Greetings
本日、予定通りマレーシアから帰りました。今回は歳を感じた調査行になりました。いろいろな体験ができたので、また追い追い紹介するつもりです。山住みの村で子供ととった写真です。地元のおじさんにたのんで撮影してもらったのでぶれていますが、いい思い出になりました。ごらんのとおり、やや緊張気味ですが、とてもかわいかったです。

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2013年06月28日 | コメント comment
もうひとつ、うれしいコメントをもらいました。

「野生動物と共存できるか」。先週、東京の実家に帰った時、偶然、父の書斎にあった本を見つけて読みました。本を開くまでは狂信的な動物保護の本かな?と思いましたが、全く違っていました。動物、植物、人の営みや歴史など、幅広い視野に立って「共存を探る」ための話が客観的(科学的)に、しかも、血の通った温かみのある眼差しで書いてあり、面白く読ませていただきました。色々な事柄に見通しが利いていないとダメなんですねぇ。
 この本が出版されたのは7年前ですか。この頃よりも今の時代は、もっとギスギスとした経済至上主義になっていますよね。このような地道なデータ取りを積み重ね、派手ではない(金にならない)物事でも多角的に考えること、優しい思いやりを持って当たることが、軽々しく扱われるような風潮になってきているように感じます。最近、感性のよい人は絶滅危惧種ですよね。

 この本が「中学、高校入試に最も使われた」とか、今年から「中学校の国語の本」として採用されたとか・・・。みる人は見ているのだな、と、日本もまだまだ捨てたものではないな、と、少しホッとしました。感性の豊かな子が多く育てばよいな、と思います。それがそのまま、「野生動物とも共存できる」暮らしやすい社会づくりに繋がると思うから。


 たいへんありがたく、とくに「地道なデータ鳥を積み重ね」「派手ではない物事でも多角的に考える」「優しい思いやりを持って」ということばがうれしかったです。ひとつだけ気になったのは「狂信的な動物保護」ということばで、そういう本ってあるんでしょうか。もしかしたら毛皮の反対運動や、シーシェパードなどのことでしょうか。これらは論理的にも、暴力を是認するという意味でも論外です。動物好きがあらゆる命を奪うことは許されないという原理主義に陥ることはありえて、そうい人が毎日肉や魚を食べていたりします。菜食主義ならよいかといえば、それは植物には命がないのかという反論にこたえられません。生きるということはほかの動植物の命をいただくことであり、そのことはお釈迦様がわかりやすく示してくださったことです。

 実は今もう一冊の岩波ジュニア新書を書いていて、その中では動物にもいろいろあって、ペット、家畜、野生動物ではそれぞれ人間が接するべき姿勢が違わなければいけないことを書きました。実際「動物が好き」というとき、これらがごちゃごちゃになっていることはよくあり、麻布大学に入学してくる学生にもこの混乱をしているのがたくさんいます。しかも今は実体験ではなく、テレビを通じて「動物を好きになった」若者が多く、要するに本物を知らないのです。そういう若者に向けて動物を守るということの本当の意味を考えてもらおうと思いました。

 
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2013年06月28日 | コメント comment
こちらでは日本と違って雑用がないので、今は作業を一休みしてパソコンに向かっています。このブログはコメントがほとんどなくて、ちょっとさみしい思いをしているのですが、少し前に「シバと長友」について以下のようなコメントをもらいましたので紹介します。

アファンの森の管理お手伝い「のへら隊」の池田です。いつも楽しく読ませていただいております。今回の長友選手のコメントに、私も感動しました。私たちがアファンの整備を続けられるのも、松木さん、ニコルさんの感謝が感じられるからです。もちろん整備の結果で私たち自身が癒されることもあります。表舞台の人々がこのような態度を示してくださることは、あらゆる環境整備をする人間のモチベーションに大きな力となると思います。それを引き出してくださった高槻先生にも感謝です。
ところで、三浦氏登頂に輪をかけてですが、先生はこの実態についてどう思われますか。私は単なる人間のエゴが環境破壊をしているとしか思えません。


三浦氏のことはさんざん悪口を言ったのでこれ以上は控えましょう。ますますご活躍のこととご拝察もうしあげます。
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マレーシアより

2013年06月28日 | ごあいさつ Greetings
20日に岩波ジュニア新書のことを書いて、その日にマレーシア出張のごあいさつを出すつもりがアップしていなかったことに気付きました。
 世の中は変わったもので、便利といえば便利、なんかおかしいといえばおかしくて、世界のどこにいてもインターネットでつながっています。つい最近まで海外調査に行くということは、日本の日常から離れることだったのですが、今は違ってしまいました。とくに今回はその思いが強いです。
 というのは、数日前熱帯雨林に行き、そこの土着の人(原住民というのは失礼な響きがあるのでこのみませんが、今のマレーシアの都会にいる中国系の人やインド、中東系の人とは外見もあきらかにちがう、きわめて素朴な農業と狩猟採集をしている人たちです)の村で過ごしたからです。樹高が40mもある熱帯雨林の中で竹とヤシで作った家に住んでいて、電気も水道もありません。印象的だったのは子供たちがたくさんいて、朝から晩までいっしょに遊んでいることです。違う年代の子供たちがそれぞれのレベルで楽しげに遊んでいるのを見るのはほっこりしていいものでした。まちがいなく幸せな子供たちの表情でした。
 そこから町(といっても田舎ですが)にもどればインターネットで情報が見れるというこの落差になんだか納得のできないギャップを感じました。

 こちらでの体験談はまたこのブログで紹介することになるとおもいますが、元気にしていることをお伝えしてごあいさつまで。
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しばらくお休みします

2013年06月21日 | ごあいさつ Greetings
 「日誌」を訪問してくださいます皆様、毎日続けるだけがとりえの、とりとめもない独り言を聞いていただき、ありがたく思っています。
 私は21日から30日までマレーシアに行きますので、しばらくお休みします。アジアゾウの調査のためです。詳しいことはまたご報告すると思いますが、かつて留学生であったアイムサさん(スペイン人)がいまマレーシアの大学の先生になり、アジアゾウの大きなプロジェクトを進めています。そのプロジェクトに私がいま指導している学生が参加して、ゾウの食性を調べることになりました。
 私の夢のひとつはアジアの生物の保全のために生態学者として役に立ちたいということです。また生物への愛や興味は国境を越えて共有できるものであり、そのことの実現に役立ちたいという思いも持っていました。
 そういう意味で、留学生を育て、その人がアジアの大学人となって国際的なプロジェクトを進め、そこに自分の指導する学生が参加するというのはその夢の実現といえます。若い人がゾウを守りたいという思いで協力し合うのを見るとき、大学人になってよかったという思いをもちます。
 皆様、蒸し暑くなりました。ご自愛ください。
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ささやかな朗報

2013年06月20日 | その他 others
昨日、岩波書店から郵便物が届きました。2006年に書いた「野生動物と共存できるか」(岩波ジュニア新書)が入っていました。この本はよく読まれて今回第6刷になりました。本が売れない時代にはこの種の本としては珍しいことだそうです。
 私はこの本を書くときに「若い世代向けだからこそ、しっかりとした内容をわかりやすく」と心がけました。決して「子供だまし」や「手抜き」をしませんでした。そのことは確かに伝わったと信じています。
 少し意外だったのは、この本に書いた文章がなんと中学や高校の「国語」の入試問題として非常によく引用されたということです。最初の年は「入試に最もよく使われた本」に得たばれて、あの養老先生の本を追い抜いたのだそうです。そのこともあってか今年度の中学生の国語の教科書にも採用されました。たいへん光栄なことです。
 この本を出したとき、私は東京大学にいました。麻布大学に来て、研究室に入ってきた学生と話をしていたら、「高3のときに学校の図書館であの本を見つけてよんで、自分は野生動物の勉強をしようと決意したんです。でも東大には入れないから、麻布大に来たんですが、そしたらその先生が授業をしていたのでびっくりしたんですよ」といってくれました。今年入ってきた学生は、小学生のときに読んだといっていました。初版が出たのは2006年だからありえることです。
 それやこれや思い出のある本です。もしまだ読んでおられないようだったら、ご一読を!読後感想を送ってもらうとよろこびます。




少し長くなりますが、読後感などを紹介します。

「f087022の日記」さん。しっかり読んでもらっています。
 本書で筆者はさまざまな野生動物の問題を紹介している。そのなかには筆者の経験した出来事が多く含まれている。実体験が交えられていることで、現実味があり、研究者の苦難などがよくわかる。問題に対する研究後の対策では行政などとのやり取りもあり、交際的な<国際的でしょうか、高槻>協力の必要性もわかる。動物のことだけでなく、その土地の特徴などの描写もあり、関わった地元民とのやり取りもある。そういった人間との関わりから、価値観の違いがあることがわかる。価値観の違いが異なる環境から成立した生活習慣や異なる宗教などが関連していることも書かれている。岩波ジュニア新書であるから、やさしい言葉で書かれているが宗教の価値観などにも言及し、生物保全にはさまざまな分野を知っておくことが必要であることがよくわかるだろう。保全生態学の考え方もわかり、生物の関わろうとする子どもにはとても参考になる本であると思う。また全く関係のない人でも生態学についての考えや、野生動物に関する問題についてよくわかるだろう。a href="http://d.hatena.ne.jp/f087022/20100626">もっと読む。

「すろうらいふ」さん。とても正直なやさしさが表現されています。
自然にはサイクルがあるから、シカの場合を例にとっても、害獣であるシカだけを駆除したからって問題が解決するわけじゃない。人間の利益になることばかりが問題になるわけじゃない。結局、この本を読んで、自分がどうしたら良いのかなんてわかんなかった。イトルの答えは見つけられなかった。でも、これはすごい複雑な問題であって、「動物がかわいそう」
とかの、そういった低次元での反発をしてはいけない問題だとわかった。人間だけの利益じゃなくって、地球全体を見たときのバランスを理解して、判断しなければならない。そういったことを学んだと思う。もっと読む

「piroのぴろぴろ日記 」さん。ありがたいコメントです。
子供向けだから分かりやすい。要点も把握しやすいし、何よりも著者の方のもの柔らかな言葉使い、柔軟な思いやりのある考え方や本当に自然や動物が好きな方なんだなぁっていうことが文書から強烈に伝わって来ます!!最後の方で、結構感動してしまいましたそうそう、そうなんだよね!私もそう思う!って心の中で叫びながら読んでましたww。まさに私の知りたかった、感情だけではなくデータが必要という部分を補ってくれる保全生態学。
a href="http://blureye03.blog58.fc2.com/blog-entry-304.html">もっと読む

「主宰のブログ」さん。どうやら受験対策の専門家らしく、「こういう世界があるんだ」という感じです。
 「岩波ジュニア新書」と「ちくまプリマー新書」の新刊図書は、中学入試で出題される論説文としては最も気をつけなければならない本です。したがって、昨年の5月に発行された『野生動物への2つの視点 ”虫の目”と”鳥の目”』は今年度入試でもっとも出題されるだろうと私は予想し、それを「中学受験の基礎講座」でもご案内していましたが・・・・・ズバリ的中しました!! ちなみに、出版されてすぐに購入して、エクセレントゼミナールの貸出用本棚に並べた同書は、昨年の小6受験生たちがまわし読みした結果、たった数ヶ月で見るも無残な古本と化しました(苦笑)。a href="http://excellent-semi.sblo.jp/article/45272230.html">もっと読む

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乙女高原(5月12日)こんなものも

2013年06月20日 | 乙女高原
ヤマナシの花を見に行ったら、その下に白いものがあり、仕事柄「骨?」と思うクセがあります。そうでないシラカンバの樹皮だったりすることが多いのですが、これは正真正銘のカモシカの頭骨でした。生まれた年の冬に死んだようです。キツネにかじられたようで、かなりこわれていました。額の部分が明らかに人に切られているのですが、こういう切り方をして何にしたのかわかりません。


カモシカの頭骨
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乙女高原(5月12日)木の花

2013年06月19日 | 乙女高原
上を見あげるとこちらにも少し花がありました。


ハウチワカエデ。意外に派手な花で、マルハナバチやカミキリムシが来ていました。


ヤマナシ。そうここは山梨、なんてね。


ムシカリ

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乙女高原(5月12日)沢の花

2013年06月18日 | 乙女高原
林を歩いていて、沢に近づくとかわいい花がありました。ひとつはサンリンソウ、もうひとつはクリンユキフデです。


サンリンソウ


クリンユキフデ。タデの仲間です。
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乙女高原(5月12日)林の花

2013年06月17日 | 乙女高原
林にはもう少し花がありました。乙女高原はスミレが豊富なんですね。


ヒメイチゲ


ミヤマハコベ


ミヤマスミレ


サクラスミレ


エイザンスミレ


タチツボスミレ



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