自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

白い花

2008年06月30日 | その他の調査地
6月には白い花が多いと書きましたが、八ヶ岳でみた白い花を少し。



ミヤマザクラ、アイズシモツケ、アズキナシ 2008.6.15 八ヶ岳
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チョウジザクラ

2008年06月29日 | その他の調査地
八ヶ岳のオキナグサから少し横道にそれました。もどります。
 5月の連休にきたときにチョウジザクラの楚々とした美しさのことをとりあげましたが、今回はそのサクランボを見ました。半月のあいだにも着実な営みをしていたことがわかります。今回は森林の濃くなった緑が印象的でしたが、チョウジザクサの二重鋸歯を林冠から射す光にかざしてみたときの美しさにハッとする思いでした。



チョウジザクラ 2008.6.15 八ヶ岳
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モンゴルのオキナグサ

2008年06月28日 | モンゴル植物
 関野さんというお医者さんで探検家の人が世界中を自転車でめぐるという活動をしておられて、ときどきテレビでみますが、モンゴルでプジェという少女にであうシーンがあります。気の強い女の子で、関野さんが近づくと「仕事の邪魔だからあっちへ行って!」と拒絶するのです。モンゴルの子供は働き者で、たしかに近寄りがたい表情をするときがあります。この少女を主人公にした映画の小品があって見に行ったことがありますが、そのなかであまり口をきかないプジェがオキナグサをみて
「でもしかたないのね」
 と一言いいました。それだけでは意味がわかりませんが、その意味は「春になって体力の落ちているヒツジが生き延びるためには、こんなかわいい花を食べるのはかわいそうだけど、しかたがない」というものです。ほかの植物に先駆けて咲くオキナグサは栄養があり、家畜が冬のあいだにやせてしまった体を回復するのに、これを食べるのだそうです。
 「きれいな花を食べるシカを殺せ」といったり、「かわいいバンビちゃんを殺すなんで残酷だ」といった自然を知らない議論をする日本のおとなにくらべて、いかに生命の尊厳を深く考えているか、私がモンゴルに惹かれる理由のひとつはこういうことばに出会えることにもあります。
 オキナグサをみるといつもプジェのことを思い出します。




モンゴルのオキナグサ 2006.6.23 フスタイ 2007.8.21 テレルジ
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オキナグサ

2008年06月27日 | その他の調査地
八ヶ岳の中にある小さな尾根に登ったとき、禿げた斜面にオキナグサがありました。この花に出在るのは実に久しぶりでした。花は終わっていて果実になっていました。この果実の白さをおじいさんの白髪にたとえて「オキナグサ」というとのことですが、こういうつややかな白髪のおじいさんはなかなかいないようで、私には幼子の髪の毛のように感じられます。
 オキナグサについては思い出すことがありますが、それはまたあした。


オキナグサ 2008.6.14 八ヶ岳
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レンゲツツジ

2008年06月26日 | その他の調査地
今回の八ヶ岳では白い花が目についてのですが、その中にあってレンゲツツジの朱色が印象的でした。レンゲということは蓮の花のような豪華な花をつけるツツジということでしょう。それはヤマツツジやミツバツツジなどに比べて花がふたまわりほども大きいからのようです。朱色の色もヤマツツジなどの単純な赤とは違い、上品さをたたえた朱色です。ただし赤にはかなりのばらつきがあってほとんどヤマツツジのような濃い赤からオレンジ色に近い黄味の強いものまでありました。ところで躑躅という字はワープロでみつけて表記するのはかんたんですが、とても手書きでは書けません。これは確か牛がフラフラ歩く状態を表現したもので、ツツジが有毒なために食べると具合が悪くなるためだという記述を読んだことがあります。それで牧場などに食べ残されて増えるといわれ、青森の八甲田山などにも多く見られます。八ヶ岳も牧場が多く、おそらく同じ事情があるものと思われます。植物の名前をこういう面からつけるのは、日本人にはほとんどない発想で、牧畜に依存的な民族の発想だなと思います。


レンゲツツジ 2008.6.14 長野県野辺山
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コアジサイ

2008年06月25日 | その他の調査地
(また八ヶ岳にもどって)

林を抜ける小径を歩いていたらコアジサイがありました。アジサイの魅力は装飾花にあって、エゾアジサイなどはそのことが典型的なように思いますが、コアジサイはそれがありません。大きさも花の集まりの直径が5センチほどでこじんまりしています。フワフワのセーターのような印象です。野生植物の質実でたくましいようすの中に上品さを保持しています。私にとってコアジサイは花はもちろんですが、葉もたいへん魅力的だと思います。だいたんにザクザクと切れ込んだ鋸歯が、志功の彫りのような勢いがありませんか。今年は八ヶ岳で初めて花に出会いましたが、東京の低山帯にもあり、親しみがあります。



コアジサイ 2008.6.15 山梨県清里
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ジンガサハムシ

2008年06月24日 | 動物 animals
(八ヶ岳をひとたび休んで)

 参勤交代の上級の武士がかぶる平たいヘルメットのようなものがあります。これを陣笠といいます。このハムシはテントウムシのような半球型の「背中」の部分のすその部分が水平にひろがって陣笠にそっくりです。その形もおもしろいですが、全体が透明で艶があり、肩のあたりは金色に輝き、背中は鼈甲の質感です。その質感はプラスチックあるいは七宝焼きのような感じで、きわめて近代的な感じがします。これをみたプラスチックを知らない昔の子供はどんなことを想ったでしょうか。
 ジンガサハムシはたいへん活発で、すぐに飛びます。ふつうには撮影できそうもないので、指でつまんで写しました。そのときも盛んに触覚を動かすのでブレています。



ジンガサハムシ 2008.6.8 町田市小野路
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実のなる木

2008年06月23日 | その他の調査地
今回八ヶ岳で、ある自然を勉強しているグループとごいっしょする機会がありました。動物のことを調べているグループなのでその話題が中心でしたが、私はつねづね学生に「動物の生活は植物にもとづいているのだから」と植物についてもあれこれ解説をするようにしています。ちょうどカマツカやサワフタギなどの白い花が咲いていたので、学生に説明していたら、どうやら木の実に関心のあるらしい人が寄ってきて「サワフタギってどれですか?」と聞いてこられました。説明するとサワフタギが青い実をつけることをご存知でした。「こういう花を咲かえるんですね」と感慨深げでした。ちょうどそこにクマヤナギやツルウメモドキがあったので、説明するとそれらの果実もご存知のようで、ちょっと場が盛り上がりました。ツルウメモドキの花が地味なので、果実との対比が印象的だったようです。たしかに木の場合、松ぼっくりや、ドングリ、エノキのように実のほうが目立って花はあまり知られていないものがあります。サワフタギもそういう例のようです。今回よく見たらサワフタギは雄しべの花糸が長くて、長い睫毛という印象がありました。



サワフタギ 2008.6.15 清里

* モンゴルにいっていたので投稿が開きました。
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小径

2008年06月22日 | その他の調査地
車道を離れたところに林道ともよべないような小さな道がありました。両側から枝が張って車は走れないようす、人もあまり歩いていないような小さな道で、漢字では「小径」と書くのがふさわしいようでした。もともと道はこういうものであったはずで、道草ということばもこういうところでこそ実感があるというものです。こういう道を歩くときの人の歩き方は、移動目的にすたすたではなく、右を見たり上を見たりしながらぶらぶらとなります。小学校の頃の私の通学はまさに道草で、学校から帰るのにどのくらいの時間をかけていたことやら。昭和30年代の山陰ですから、ほんとうに田舎でした。よそのお宅の庭を通過したりもしていましたが、大人はにこにこしながら見ているだけでした。川でカニをとったり、小石をひろったりで、私の「宝箱」にはいろいろなものが入っていました。車がいばって歩行者が遠慮しながら、あるいは目標だけを目指して走るように歩くようになってどのくらいが経つでしょう。今の若者や子供は生まれたときから道路とはそういうものしか知らないわけで、ちょっとかわいそうな気がします。





2008.6.15 山梨県北杜市
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ズミ

2008年06月21日 | その他の調査地
八ヶ岳の山裾の牧場に低木がありますが、春に見たときはいろいろな低木があるのだろうと思っていました。今回来てみるとズミが花を咲かせており、ほとんどの木がズミだったことに気付きました。もっとも花があるときはたくさんあるような気がするもので、たとえばミズキの花の季節になると、山にこんなにミズキがあったのかとおどろくことがあります。それにしても、牧場にズミが多いのは、枝がトゲ状になって家畜が食べにくいからだと思います。
 ズミそのものはとくに美しい花とはいえないかもしれない。しかし八ヶ岳の山裾に広がる牧場の中に連なるように低木が白い花をつけているさまは、公園のサクラなどよりよほど美しいと感じました。遠景の雲も幻想的な効果をかもしだしていました。





ズミ 2008.6.15 八ヶ岳
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