自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

暑中お見舞い

2008年07月19日 | ごあいさつ Greetings
19日から8月2日までモンゴルに行きます。今年になってなんと4度目です。今回の目的は麻布大学とモンゴルの国立大学、自然史博物館、科学アカデミーとの学術交流協定の締結という肩の凝るものがひとつ、あとはいつもの野外調査です。博物館での展示はこれまでのモンゴルの人々の支援に対する恩返しのつもりですが、本当の恩返しはモンゴルの若い人を育てて、自分たちで研究ができるようになってもらえるようにすることだと思っています。そのひとつとして協定を結ぶことにしました。こういうフォーマルなものはどうも苦手ですが、なんとかこなせば、そのあとはいよいよあのすがすがしいモンゴル草原が待っています。
 というわけでしばらくこのブログを休むことになります。変わりばえのしない「問わず語り」なのにもかかわらず、かなりの人が読んでくださっているようで、ありがたいことです。
 暑く蒸す日が続いています。皆様夏ばてなどありませんよう、お大事になさってください。しばらくお休みするので、いつもと違って自然を離れて、私とカミさん、孫2人と写した写真を送ります。

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緑陰

2008年07月18日 | 町田里山
町田里山

ナラバイと呼ばれる谷戸があって、細長い尾根にはさまれた深い田が続きます。もっとも多くの田は今は休耕田となっていて、ヨシやオギが生えています。カワセミがもどってきたのは、この谷戸の一部で、できたらもっと広い範囲が活きた田んぼになってほしいものです。さて、その田を横目に斜面を道が続いています。その一部に「緑陰」というにふさわしい木陰があります。クヌギの木ですが、炎天下ならずとも一休みしたくなります。ましてこのごろの暑さです。黒々とした日陰がありがたく思われます。農作業をおえた農家の人がここで流れる汗をふきながら一休みしたに違いありません。

 

2008.6.25 町田市図師
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ヒメコウゾ

2008年07月17日 | 町田里山
町田里山

 林の縁や道路のわきなどにヒメコウゾがあり、6月の下旬くらいから実を熟させるようになりました。このオレンジがかった赤い色がなかなか微妙な美しさです。



ヒメコウゾ 2008.6.25 町田市小山田
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トウダイグサ

2008年07月16日 | 植物 plants
町田市図師の谷津田の畦道はなかなか楽しいです。トウダイグサもありました。見ればみるほど風変わりな花です。



トウダイグサ 2008.6.25 町田市図師
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ヒエンソウ

2008年07月15日 | 植物 plants
日曜日に写真の整理をしていたら5月にセリバヒエンソウを写していました。これは東京に来て初めてみた植物のひとつで、雑草なのにこんな楚々としてきれいなのにびっくりしました。いっぽう、モンゴルでDelpphiniumをみて、その鮮やかな青が印象に残っていましたが、これらが同じ属の植物だと私の頭の中ではむすびつきませんでした。こうして並べてみるとたしかに似ているのですが、見た状況などにもよるのか、まったくつながりませんでした。セリバヒエンソウは日本の梅雨どきに咲いてしずくがついています。すでに日本の風景にとけこんでしまっているかのようです。これに対して、モンゴルのヒエンソウの鮮やかな青はこれまたモンゴルの乾いた空気によくマッチしています。おもしろいものです。




セリバヒエンソウ 2008.5.11 小平市; Delphinium sp. 2007.8.1 Hustai National Park, Mongolia


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ホタルブクロ

2008年07月14日 | 町田里山
町田里山

田んぼの畦にホタルブクロもありました。明るい場所を好むようです。ほとんど白いものから、かなり濃い紫色のものまであります。暑くなり季節に咲きますが、この花は涼しげです。ずいぶん大きな花です。中をのぞいてみたら意外な世界がひろがるようでした。この模様の中に入ったハナバチは引き込まれるように花の奥に入ってゆくのだと思います。







ホタルブクロ 2008.6.25 町田市図師
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オカトラノオ

2008年07月13日 | 植物 plants
6月下旬に町田里山に行ったときオカトラノオが咲いていました。先端に行くほど細くなるグラデーションがとてもきれいで、それがたくさんあると不思議なきれいさがあります。ひとつの花をよく見るとサクラソウ科だということがなっとくできます。





オカトラノオ 2008.6.25 町田市図師
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カワセミ

2008年07月12日 | 町田里山
6月下旬に町田里山に行ったとき、また小さな発見がありました。日本中でそうですが、数百年かけて作ってきた田んぼを放棄して荒れ放題にしていますが、ここも例外ではありませんでした。しかしいくつかの田んぼは復活したのは以前(4月28日、6月3日など)紹介しました。ナラバイと呼ばれる谷戸は私のお気に入りですが、そこは去年の秋くらいから田んぼ復活の動きがあり、ヨシ群落に変わっていた休耕田が整備されていたのです。
 田んぼの脇を歩いていたとき、鮮やかな青色が目に入りました。
「カワセミだ!」
 あいにく小さなカメラしかもっていなかったので、抜き足差し足でそーっと近づいてなんとかカメラに納め、あとで一部をトリミングしたのがこの写真です。
 田んぼが戻ってきたら、カワセミが戻ってきた。ということは小魚やカエルやザリガニなども戻ってきたということでしょう。このカワセミはどこに巣を作っているのか。いろいろと想像が働きます。生き物の賑わいが戻ってくるのはほんとうにうれしいことです。



カワセミ 2008.6.25 町田市図師
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開催式

2008年07月11日 | 研究など research
展示の開催式でお偉いさんのご挨拶が続いたあと、私も挨拶をすることになりました。だいたい次のようなことをいいました。

 私が子供のころ、米ソの冷戦時代であり、東側の情報は限られていたために、モンゴルというのは想像することもできないほどかなたの夢のような国でした。ゴビとかアルタイとかホロンバイルといった地名が詩のように響きました。
 大きくなって外国旅行ができるようになり、あちこち行きたい国がありましたが、モンゴルは行けない国でした。生態学を研究するようになって、その対象としてモンゴルが浮上しましたが、とても行ける国ではありませんでした。
 ところが世界が変わる中で中国の内蒙古に行くことができ、長年の夢が果たされました。その中国の内蒙古草原でちらりとですが、モウコガゼルを見たのです。そしてこの西側にモウコガゼルがいるモンゴルがあるのだと、落日を見ながら思い、行きたいと次の夢が湧きました。
 そして2002年になってその夢が果たされました。モウコガゼルを捕獲して、世界で初めてその移動ルートを解明しました。そういう調査を進めながら、私の中で、先進国が開発途上国に来てデータやサンプルをとって持ち帰り、学会で発表して、業績を上げるだけでよいのだろうかという疑問が生まれました。そして、この成果をモンゴルの人々や子供たちに還元したいという、新たな夢が生まれたのです。その夢が今朝、実現しました。
 もしこの展示が成功したら、私は次の夢を追いかけようと思います。それは私の初心にかかわることで、この展示をモンゴルの僻地の子供にみてもらう巡回展示をしたいということです。自動車にキットをつみ、ゴビ砂漠やアルタイ山脈にすむ子供に見に博物館を運んであげたいのです。私には子供たちの喜ぶ笑顔が見えるような気がします。
 振り返れば、夢はときに果たされるもの、ひとつの夢が果たされるとまた新たな夢が生まれるもの、それがひとつまたひとつと実現することはほんとうに嬉しいことです。これまでのモンゴルの人々の支援にお礼申し上げます。

 お偉いさんの長い挨拶に退屈してざわついていた会場は水を打ったように静かになり、巡回展示の話になると多くの人が深くうなづいてくれました。その後、展示の解説をして「質問やコメントはありませんか?」と聞いたら、アメリカの生態学者が「あなたの夢を実現するという話は実によかった」といってウィンクしてくれました。

 私は地位や名誉とは無縁、そういうことをくだらないことと信じて生きていますが、この日、博物館から感謝状を贈るといわれたときは、すなおにお受けすることにしました。私の単純な思いが実行できたことを心からありがたいと思えたからです。

           

モンゴル自然史博物館ゾリグトバータル館長(左)から感謝楯を受け取る私 2008.7.6
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モンゴル展示

2008年07月10日 | 研究など research
モンゴルでの展示が始まりました。会場になったモンゴル自然史博物館はロシア風の堂々たる建物で、私はこういう建物が好きです。この一室を借りて2002年以来の研究成果を紹介する展示にしました。内容は2つあり、ひとつは収蔵の頭骨標本をケースに配列したもの、もうひとつは研究成果のスライドです。立派な角をもつ動物が多いので迫力のある展示となりました。





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