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その脇にはカイコの模型がありました。長さが30cm、太さも10cmほどはあろうかという大きなもので、これも100年ほど経ったもののようでした。
ここでは富岡製糸場にあるものの発展型の繭から生糸を取る機会が実際に動いていて、その設計に携わったというおじさんが熱っぽく語っておられました。
ウマの展示は特別展で、そのほかに常設展示があったのでのぞいてみました。農工大の農は養蚕、工は機織り機だというのを聞いたことがあります。要するに明治時代に唯一の外貨獲得ができた産業である養蚕業を発展させることを目的とした大学だったということです。そのコーナーにたくさんのカイコの繭の標本が並んでいました。その繭もさることながら、ケースが素晴らしいものでした。
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カイコの繭とそのケース
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それ以上に感激したのは多くのウマの模型です。長さが30cmほどもある大きなもので、形もとてもよくできています。それがいくつも並んでるいることで、まるで馬の群れがいるようでした。
農工大の博物館でウマの展示をしているというので見に行きました。
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壁側に立ててあるのは昔の教育に使ったチャートです。パソコンはもちろん、テレビもなかった時代、図を使って教育することは非常に重要でした。だから、職人がいて優れた絵を残しました。しかしその多くは「古くなった」として処分されてしいました。それがよく残されていたものだと感心しました。確かに素晴らしい図でした。
月に何度か津田塾大学に行きます。守衛さんとも顔なじみになり「顔パス」です。タヌキの糞の回収などのルーティンですが、行くたびに正面の建物を眺めます。古典的な造りで、落ち着きがあります。光の角度によって違う表情を見せます。
私は大都市の高層ビルを見るたびに思います。こういう建物をデザインする人は機能と美しさバランスをどう取ろうとしているのだろうかと。こういうビルは一言で言えば「のっぺらぼう」で、だから陰がありません。私にはそれは美しく見えません。機能美はあるのかもしれませんが、建物そのものの持つ美しさの追求という点では退行しているとしか思えません。
というわけで、雪が降るといろいろな自然の話がきけます。動物の残した痕跡は、白いキャンバスに残された作品とみることができます。そんなことを思っていたら、津田塾大学の学生さんも「作品」を残していました。
足跡をたどりながら地図にそれを書き込んでいきました。この地図は左が北で、キャンパスの北、東、南に林があります。その多くの場所で足跡がみられましたが、タメフン場(赤丸)のある北、東の中央、南西には少なく、足跡が一番多かったのは南側でした。ここではこれまでタメフンがみつかっていません。たぶん見落としていると思います。キャンパスの南には玉川上水があり、タヌキにとっては条件がよいはずなので、タメフンさがしにリベンジするつもりです。
ひととおり調べたので戻ろうとしたら、グランドにも足跡がありました。
「夜ならこんなところまで出るんだ」
と思って近づくと、どうもようすが違います。
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足跡の間隔が狭く、浅いのです。なんだろうと思いながら追跡してみるとこういうものがありました。
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上の写真がそれで、2本の足跡の両側に放射状のもようが浅くついていました。それで私は下の写真のように鳥が翼を広げたぼではないかと想像しました。それより先に足跡がないので、ここで飛び上がったものと思われます。大きさからするとカラスの可能性が大きいです。
東の林を歩いていたら雪をほったようなあとがありました。地面をかいて、何かを掘り出そうとしたような感じで、まわりにはタヌキの足跡がたくさんついていました。
足跡は建物の脇とか木の下など、雪がすくないところに多い傾向がありました。
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なかにはテニスコートの脇に雪の深いところもありました。
タヌキの動きをあれこれ想像させます。