自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

マダニ

2017年08月31日 | その他 others
昨夜(8月30日)、NHKのクローズアップ現代プラスで、マダニのことをとりあげていました。番組にでも出てきた鈴木和男さんは私が東北大学の助手だったころに研究室に入ってきて、気心があってよくいっしょに調査をしました。いまは和歌山の田辺市でアライグマの調査をしています。番組では山にしかいなかったマダニが最近は街にもいて、ネコにダニがついている事例が急に増えたこと、最近、ネコにかまれた女性が「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染して死亡したことなどが紹介されました。
 鈴木さんは徹底的に「モノ」にこだわる研究者気質で、「できるだけたくさん、できるだけ長期に」物的証拠をとるというタイプです。いろいろなことを調べている中にアライグマの感染症のこともあり、サンプルを専門家に送ってきました。データはもっと古くからとっているはずですが、番組では2011年からのSFTS感染率が紹介されました。低いときからとっていたということが肝心で、この種のデータは調べたら「えらいことになっている、で、その前は?」となり、「データがない」ということが多いのですが、鈴木さんが偉いのは、いずれそういうことになるかもしれないと見通してちゃんとデータをとっていたということです。そのグラフをみるとこの数年で急増し、その時期と死亡事例とがよく対応していました。
 よせられた情報をもとに調査をして、それによって全国的な傾向があることがわかったなど、マスメディアのパワーを示した番組でもありました。
 実は私はマダニに何度もかまれたことがあります。金華山はシカがたくさんいますからダニもいっぱいいます。山を歩いて野生動物の帰って風呂に入ると、体についているのに気づくことがありました。金華山にはヤマビルもいて、こちらにも刺されます。山を歩いているときは気付かないことが多いのですが、皮膚を切って吸血し、止血を阻害する酵素を出すので、出血がとまらずビクッとします。ダニはかまれてもほとんど気づきません。当時は病気をもっていなかったのだろうと思いますが、いま思うと怖いことです。

 番組にはたくさんの意見がよせられ、子供を公園で遊ばせても大丈夫かなどの母親の声もありました。このことはちょっと深刻かなと思いました。
 深刻だというのはダニが増えて街にまで済むようになったという事実そのものだたいへんだということでもありますが、もう少し違うことです。私は動植物や自然が好きで、だから自然と人間が共生することだたいせつだと考え、発言もしてきました。私のような者は少数派ですから、大多数の人からは「自然を相手にする道楽者」とみられるわけです。それほどキツい表現はされたことはありませんが、「けっこうな身分ですな」という感じでみている人はふつうにいます。でもそれは「自分はそうはしないが、悪いことをしている奴でもない」と思われているという感覚があります。「あんたのいうことは、まちがってはいない。いずれ日本の社会も理解してくれるだろう」という感じでしょうか。
 しかし、こういうことがあると風向きが変わる可能性があります。「野生動植物を大事にするあいつら」が「守れ、守れ」などというから野生動物が増えて、その結果、ダニまで増えて人に危険になっている。「あんな迷惑な生き物なんか撲滅すればいいんだ。それを、ダニを増やす野生動物を守れなどととんでもないことを言う奴だ」ということになりかねません。
 そんなことも考えさせられる番組でした。
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モンゴル 15 ウシ

2017年08月30日 | モンゴル
ウマだけでなく、ウシの死体も目にしました。それにここにはいませんでしたが、ときどきハゲワシがいます。大きくてびっくりします。



 「牧歌的」ということばがあります。少し前に紹介した羊の群れはその代表的なものでしょう。のどかで、悩みなどなく、気楽な感じというイメージでしょうか。そかし、人が生きるということはそういうことでないというのは少し想像すればわかることです。それどころか、生と死が都市生活よりははるかに生々しいものとして存在し、悲しさや苦しさがすぐそこにある、そういう世界です。そのことも少し伝えたいと思いました。
 ついでにいえば、私はほとんど夏にしか訪問したことがありませんが、ここは冬にはマイナス40度くらいになる世界です。そのこともあまり知られていないことです。
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花マップ

2017年08月29日 | 玉川上水
私たちは玉川上水30kmを歩いて代表的な花の生育を確認しています。9月の花をアップしました。こちら




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モンゴル 14 ウマ

2017年08月28日 | モンゴル
しかし、ことしは夏まで雨が降らなかったそうで、そのために草が伸びず、家畜の状態もよくなかったようです。実際、ウマが死んでいるのを見ました。乾燥しているので、匂いはほとんどしません。腐るというようり、乾燥して肉はなく、骨と皮が残っていました。

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モンゴル 14 馬

2017年08月27日 | モンゴル
モゴッドはウマでよく知られています。

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モンゴル 13 羊群

2017年08月26日 | モンゴル
これもヒツジの群れ

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モンゴル 12 羊群

2017年08月25日 | モンゴル
ヒツジの群れというのがモンゴルで一番ありふれた光景かな?
移動中に私が感動して
「ちょっと停まって」
というとドライバーは
「なんかありましたか?」
とききます。まあ私たちが日本の田舎を走っていて、田んぼをみて「ちょっと停まって」というようなものなのかもしれません。
「いや、これがあんまりいいもんだから」
というと、腑に落ちないような顔をしています。


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モンゴル 11 峠から

2017年08月24日 | モンゴル
空気が澄んでいるので、遠くまで見えます。これは私たちには見慣れないことで、地形も規模が大きくひろがりがありますが、同じ地形でも日本でなら遠くにいくほど薄く、水色がかってみえますが、モンゴルでは遠くまではっきり見えます。峠から降りるときの景色は胸広がる思いがします。
 これからあそこを超えて、さらに進むのだというのが、私たちには「見えすぎる」気がします。こういう景色を見ながら育ったチンギスハンは、日本の戦国時代の武将が国取りといって狭い土地を奪い合ったのを理解できないだろうと思います。もっとも、その感覚は現代人でもちっとも変わっていません。


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モンゴル 10 移動

2017年08月23日 | モンゴル
モンゴルも今は幹線道路があって、そこを移動するときは100km/h近い猛スピードで移動しますが、それをはずれると草原につづく踏み跡をたどるという感じです。でも凸凹はないので50km/hくらいは出せるところが多いです。実に快適です。ともかく遠くまで見えます。峠にはオボという石をつんだお祈りの場所があります。峠を越えて次の景色が展開するとき、不思議な感覚にとらわれます。モンゴルの人はこれをウマで体験していたのだと思うと感動があります。

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モンゴル 9 調査

2017年08月22日 | モンゴル
で、何をしていたかというと、毎日、毎日、地面に向かい合って群落の記載です。場所を選ぶと、GPSで位置を確認し、そこから巻尺を引いて25mごとに調査区をとります。




その1m四方にでてくる植物をすべてリストアップし、その被度と高さを記録します。



集中力を要すので、何箇所かするとときどき休憩します。ドライバーのジャガさんが椅子をもってきてくれていたので、椅子にすわって飲むコーヒーは最高でした。なにせ、背景がすばらしい。



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