自然日誌 たかつき

自然についての問わず語りです。

オオムラサキ

2008年04月24日 | 町田里山
ときどきでかける町田の里山にいったときのことです。谷津田があったので、尾根道からおりてみました。するとそこにエノキの木がありました。エノキはテングチョウやゴマダラチョウが食樹にする木で、そのほかにもいろいろな昆虫がいるので、きっとおいしいのだと思います。なかでもオオムラサキは日本を代表するみごとな蝶です。オオムラサキとゴマダラチョウはちょっとかわっていて、幼虫で冬越しをします。去年の秋に葉から枝をつたい、幹をおりて、木の根本の枯葉の裏にくっついて冬を越すのです。子供のころ、ゴマダラチョウの幼虫をさがしたことがあります。いっしょにいった学生に「こういうところにゴマダラチョウの幼虫がいることがあるんだ。もしかしたらオオムラサキだっているかもしれない」と「そそのかし」たら、葉っぱをひっくり返し始めました。するとひとりの学生が「これすか?」と、エノキではなく、ホオノキの枯葉をとりあげました。「違うよ、葉ならなんでもいいわけではなくて、エノキの葉を見ろよ」といいかけたとき、なんとホオノキの葉に確かに幼虫がいます。背中にある突起が3対ならゴマダラチョウ、4対ならオオムラサキです。なんとその幼虫は4対ではありませんか。「東京に残された緑地にオオムラサキが生き残っていた!」と私は大興奮。ほかの学生も見つけて10分ほどのあいだに5,6匹を確認しました。私たちはよろこんで、それから幼虫をもとの場所にもどしました。
 「あそこにオオムラサキがいるのだ」と思ってその場所のことを想うと、それまでとは違う感じがします。夏が近づけば幼虫は幹を登って枝先に達し、葉を食べて緑色に変色します。そしてエノキの葉そっくりの蛹になって7月くらいには成虫になってはばたくはずです。それを見るのが楽しみです。幼虫を見つけた日は小雨だったので、翌々日、再訪して撮影しました。エノキのようすも見事なものでした。

 

オオムラサキの幼虫とエノキ 2008.4.15 町田市小野路
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