私はこの写真を撮影するとき、ある写真をイメージしていました。それは数年前に長野県の川上村というところに行った時のことです。カラマツとダケカンバの若い林で、明るいので、普通は林床に草本類が生えているのですが、シカの影響が強いためにシカが食べないマルバダケブキ以外は何もない異様な状態になっていました。その写真を見せるだけでは何がすごいのかわからない人が多いので、本来の状態を見せたいと思っていました。その御誂え向きの林がありました。マルバダケブキはありますが、それは全体の一部で、様々な草本類が生えています。これが本来の林の景観です。比較するとよくわかるはずです。
長野県川上村の林