リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

テオルボの弦選択

2024年05月04日 16時38分23秒 | 音楽系

25日のコンサートで使うテオルボ(75cm/116.5cm)の弦を交換してみました。テオルボ型のリュートの場合、弦が長くなる9コースと指板上の8コースの音質差がどうしてもでてしまうので、どんな弦を張るのかはなかなか悩ましいところです。

巻き弦を使っていた頃はこの段差が気にはなりましたが、バス弦が全てギンギンになるのでうるさいですけどそれなりに段差感は目を(耳を)つむることができました。

最近まだ張っていた弦は6コース~8コースがカーボン(サヴァレスKF)、9コースがアキラのCDL弦です。ホントは全てアキラのCD弦で張りたかったのですが、実際に張ってみるとよく切れます。アキラの方でもそれは承知しているようで弦長の長い楽器、あるいは長物のバス弦にはCDではなくCDLを張るようにとの指示が長ったらしい理論的説明とともにHPに記載されています。理論的な説明はよくわかりませんが、要するにCD弦は長い弦長の楽器に張ると切れますよということですし、実際に切れます。こんな怖い弦をバス弦にはるわけにはいかないので、CDL弦を9~14コースに使用しています。

ちなみにHPの資料から各素材の比重は、重い順にCD>KF(カーボン)>CDL>GUT(Nylgut)>Nylonですので6~8にKFのカーボンを張っていたのですが、8コースと9コースの段差がかなり大きいのが気になります。何年か前のコンサートではこの組み合わせでやってみましたが・・・

今回ここに思いつきでサヴァレスの銅巻き線(NFC132,172,212)を張ってみましたら、意外にも段差がほとんどなくなりました。4,5コースはKF、9コース以降はCDLです。やってみるものですねぇ。サヴァレスのNFCはピラミッドの真鍮巻き線よりはかなりソフトな音がでますし音の持続時間も短めです。もちろん持続時間が短めといっても弦長119cmの9コース以降よりは多少長いです。なにしろ巻き線ですから。でも音色的にはほとんど段差感がありません。

今回はあまりいじっている時間がないので、これで行こうと思いますが、まだまだ選択の余地はあるものです。


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