リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ファンダム

2024年07月01日 10時30分40秒 | 音楽系

日曜日の新聞にファンダムということばについて書かれている記事がありました。ガンダムではありません。ファンダムです。なんでも推し活にいそしむ人々の集団は「ファンダム」と呼ばれる形に進化したそうです。

なんかよくわかりませんが、なんとかのファンの「ファン」と集団を表す「ダム」をくっつけた造語だそうです。推し活にはまってしまった人たちのことをいうのでしょうか。

この人たちの行動を分析している大学の先生によると何かを神聖視する際に人は、善悪を直感的に判断する脳の部位が活性化すると言います。「ひとたび対象が『侵された』と感じると、損得を計算する功利的判断を伴わずに激しい反発が生じる」のだそうです。

なるほど、こういう脳の働きがあるからSNSで炎上するわけです。ここまで読んでよく似た例をふと思い出してしまいました。SNSの世界ではないので激しく炎上するという訳ではないのですが、例のガット弦信者の人たちの言動です。彼らがガット弦とかガット弦の師匠についての批評を全く受けいる余地がなく逆に反発してくるのは、脳のどこかが活性化して作用しているということなのかも知れません。脳の働きから来ているわけですから、道理でガット弦について何か言っても受け入れるのは難しいはずです。件の先生は宗教との類似性を指摘しています。


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2 コメント

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Unknown (やまねこ)
2024-07-01 13:40:28
こんにちは。
特にガット弦については、様々な考えが人にあり千差万別だなあと思います。
 バロックリュートにしても、当時は宮廷に仕えその演奏をお見せする場面はあったことでしょうが、それは商売目的の演奏ではないですし、使用弦も当時は羊の腸を原料にした材料しかなかったからでしょう。
もし、当時、ナイルガットがあったとしたら、当時の奏者はそれでもガットに固執したでしょうか。個人的にはナイルガットの使用しやすさに歓喜し積極的に使用したと思うのです。
 「当時の音楽を再現するのだから、楽器も歴史的であらねばならない、博物館や展示館で目で見て、できれば直接計測して検分する慎重さを持ち製作するのは常識、オールガットは必須、演奏も4,5人を対象に自分に向き合う語るような環境で弾くものだ、さらに二重フレットでサワリを出すのが最高、当時の絵画にも二重フレットになっているのが何よりの証左」・・・
もう数え切れない、あるべき論に巻き込まれます。
 昔、私も飲んだ席で楽器論やあるべき論で、喧騒な雰囲気になってしまい、何を!ってヤンチャ魂に火がつきましたっけ・・・・。
もうたくさんです。
 私は現代にふさわしい姿でやりたい音楽に向き合う、それでいいと思うのです。
年甲斐もなく、妄信し聞く耳一切持たずは嫌ですからねえ。広く視野を持ち、練習を積む、有限の時間の中で、つまらない時間を使いたくもありませんしね。

 脳科学は面白いですね、人間の行動や言語、感情など、なるほどと思わされる分野だなと思いました。
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re (nakagawa)
2024-07-01 23:34:00
弦の素材に関しては是々非々でいくのが妥当なところでしょう。まだまだ十分な性能をもったバロック・リュートのバス弦は製品化されていないし、仮に手に入るようになってもアマチュアの手に負えるものではありません。一部のプロでさえ調弦が狂ったまま録音しているではありませんか。
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