リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

楽器のキャラ

2024年07月03日 09時08分57秒 | 音楽系

この間の日曜日のNHK大河で久々にバロック・リュートのBGMが出てきました。以前当ブログで紹介しました曲です。バロック・リュートを弾かれる方は弾いてみましたか?著作権の関係でわざと訂正がいっぱいの草稿風に書いてみましたが採譜は正確ですよ。

例のリュート曲が使われる場面は静かな場面なんだけど意味ありげな対話が続くシーンですね。昔の絵画でもリュートは愛の象徴とかただれた愛とか堕落とか虚無の象徴などとして描かれて来ました。まぁこのあたりがリュートという楽器のキャラでしょう。激しい場面とかおとぼけ場面では似合いません。

激しい感じがする場面ですとヴァイオリンのキャラがよく合いそうです。ギターだともう少し情熱的な音楽を奏でることができます。厳しい現実が突き付けられた場面だとオルガンでしょうか。

バラエティ番組のとぼけたシーンにはリコーダーが使われることが定番ですが、こんな風にばかりリコーダーの音を使われるのはリコーダー奏者にとっては忸怩たる想いでしょう。

でもテレマンやバッハのブランデンブルクなんかのリコーダーの音は愛らしさを感じますし、ブランデン2番のソロ楽器の中のリコーダーは強力なトランペット、オーボエ、ヴァイオリンのはざまで愛おしさすら感じますがこれもリコーダーのキャラです。それにしてもバッハはよくぞこのようなキャラを引き出して作曲できたものです。