リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

河口湖自動車博物館

2018年09月01日 19時13分00秒 | 日々のこと
河口湖の近くに1年のうち8月のみ開館するという珍しい博物館があります。これまで2回訪問致していますが、8月の終わり頃になって急に思い立って家内と出かけました。

この博物館は、原田信雄さんという方が私財をなげうって作った博物館で、自動車の他、飛行機も沢山展示されています。私は飛行機の方に興味がありますので、見学はもっぱら「飛行館」が中心です。ここには主に日本の大戦機が展示されているという希有な博物館です。最近は岐阜県の各務原航空博物館で修復された陸軍三式戦闘機「飛燕」が展示されたりして、かつての日本の航空機を大切に扱うところが増えてきてはいますが、なんといってもここは世界で日本の大戦機が一番多く展示されているところです。誉、アツタ、栄といったエンジンの展示もあります。今年の目玉は、ほぼ修復が完了した陸軍一式戦闘機「隼」です。



この機体は初期型ですので、プロペラが2枚です。多分飛行可能な状態にまでは修復しないと思いますが、仮にそこまでしたとしても今度は飛ばすのが大変です、というかほぼ不可能に近いと思います。その点、昨年末訪問しましたカリフォルニア州チノにある「名だたる飛行機の博物館」はなんと飛行場が隣接しているのでさすがにアメリカです。この河口湖自動車博物館は今日から来年の7月31日までお休みです。

昨年の訪問は日帰りでしたけど、今回は箱根の強羅温泉に泊まることにしたので、博物館見学後は強羅に向かいました。御殿場を通って行くのですが、途中ふと思い出して、東山荘という施設に立ち寄りました。実はこの東山荘、1972年に日本で初めて古楽のサマーセミナーが開催されたところです。



この時は、バッハのBWV198から復元されたマルコ受難曲を演奏するというのがテーマでした。まだ二十歳そこそこの私は、まだリュートは持っていなかったものの、BWV198でリュートが使われているということは知っていましたので、このセミナーに行けばきっとリュートを弾く人がいるだろうということででかけましたら、予想通りSさんとNさんという方が参加されていました。

このセミナーはいわば「梁山泊」といった感じで、現在の古楽界の重鎮となられている方々が参加されていました。フラウト・トラヴェルソの有田さん、ガンバの宇田川さん、平尾さん、ヴァイオリンの小野さん(当時は中島さん)等々、2年後に師事することになる大橋敏成先生も講師で参加されていました。平尾さんは当時高校生、大橋先生のレッスンを確かフィッシャー館という別棟でレッスンを受けていました。リュートは当時日本には先生がいなかったので、リュートの研究もされていた大橋先生のヴィオラ・ダ・ガンバのレッスンを聴講していました。

東山荘は現在も営業していて、施設の中に入ってみましたが、アプローチのところと駐車場付近に当時の記憶と結びつくところが少しあったものの、それ以外は全く当時を思い起こさせるものはなく、46年の歳月の長さを思い知りました。ひとつくらい懐かしい建物があってそこで感慨に浸りたかったんですが・・・




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