リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

オンライン楽器教室

2007年01月11日 13時32分17秒 | 音楽系
最近オンラインでの楽器教室が結構はやってるようです。ヤマハが展開している教室なんか、何千人という人が会員になっているとか。

でもこういうのってホントに楽器が習得できるのかなって思います。楽器を先生から教えてもらうということはいろんな情報を先生から伝えてもらうことになるわけですが、いくらオンラインで音声や動画があったとしても、情報が少なすぎるんじゃないかな、って思うんですよね。

ま、勘のいい人ならある程度は習得できるかもしれませんけど、それでもそれなりにって程度じゃないかなって感じがします。昔、東京ギターなんとかってところがやっていたギターの通信講座がありました。私はやったことはありませんでしたが、結構はやっていたようです。レコードだったかソノシートだったかがついていた講座ですが、あれで上手になってギタリストになったという人が一人くらいはいてもいい感じがしますが、そんな話は聞いたことがありません。

去年テレビで赤ちゃんの能力をとらえるドキュメンタリーをやっていました。この中で特に興味深いものがありました。(この番組は全て興味深かったですけどね。(笑))英語を母国語とする母親から生まれた赤ちゃんに中国語のビデオを見せました。赤ちゃんの脳はそれなりの反応は示しました(と記憶してます)が大した反応はありませんでした。次にそのビデオに出演していた中国人が、ビデオの時と全く同じ衣装で同じ内容を今度は赤ちゃんの目の前でやったんです。すると赤ちゃんの脳の反応は全く異なり、格段に関心を示しました。

この実験が大人に当てはまるかどうかは分かりませんが、ビデオとライブとでは情報量が桁違いなのだということから、ある程度の推測はできると思います。ビデオレッスンで、先生の右指のフォームをもう少し右から見たいと思ってもそれはできませんし、ましてや先生が生徒の指を見たり音を聴いて即座にアドヴァイスというは不可能です。

ということで、語学でも何でもそうでしょうけど、いわゆる e-learning というのは、実はあまり多くを期待できないもののようです。コンピュータやインターネットを使って学習するというのは、先進的でカッコいいし、期待がもてそうなんですけど、実は大したことはない、みたいな。ま、今の世の中そんなの一杯ありますね。何事も中身を冷静に吟味することが肝要です。もっとも e-learning でも行けそうなのもあるんですけどね。そのあたりの話はまた後日。