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感情の伝染

「顧客満足(CS)を高めるためには、従業員満足(ES)を高める必要がある」ことは、サービス・マネジメントや顧客志向経営における常識となっている。これを裏付ける研究もたくさん報告されている。

マンチェスタービジネススクールのDaviesとChunが行った調査でも、従業員と顧客が感じる企業への好感度には相関があり、従業員が顧客によりも良いイメージを抱いているほど、売上高成長率が高かった、という結果が報告されている。

この結果には特に新しいところはないが、彼らが使っている「感情の伝染」という言葉が印象にのこった。感情の伝染とは、自分が働いている企業に対する従業員の気持ちが、営業活動や接客等を通して顧客に伝染していく、ということ。

彼らの研究によると、従業員の企業高感度は、企業の研修制度、マネジメントシステムへの評価、権限委譲の度合いによって左右される。ここで注意すべきことは、単に「仕事が楽だから」とか「給与をたくさんもらえるから」という職務満足ではなく、「いかに自分たちの成長をサポートしてくれるか」という職務満足が大切になるというところ。

ES(Employee Satisfaction)とは、「成長満足」「学習満足」と言い換えることができるかもしれない。

出所:Gary Davies, Rosa Chun「従業員に愛される企業は業績が高い」ダイヤモンド・ハーバード・ビジネスレビュー2007(October)
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