goo

休ませる勇気、休む勇気

精神科医の計見一雄氏によれば、「どんな兵士でも、いつかは疲弊して使えなくなる」という。これは、強い軍隊を作るために研究を重ねてきた米軍の結論である。いくらストレス耐性が強い人間でも、戦い続けると壊れてしまうらしい。

では、どうするのか。答えはシンプル。「早めに、励まして、休ませる」こと。強力な戦闘部隊は、兵士を励まして、休ませる配慮が行き届いているという。

患者中心医療で有名な病院にお勤めの看護部長さんの言葉を思い出した。「うちは激務ですが、有給休暇をなるべくとらせるようにしています。いつも「休め、休め」と言っています」とのこと。

あるIT企業の方も「優れたプロジェクトマネジャーには仕事が集中します。そして、疲弊していって、メンタルでやられてしまうことが多いのです。」とおっしゃっていた。

経営組織も軍隊と同じで、限られた兵力をいたわりながら働いてもらう配慮が、リーダーに求められる。強い組織を作るためには「早めに、励まして、休ませる」ための仕組みを整備することが欠かせない。

しかし、日本には「長時間働くことを美徳とし、休むことを罪悪」と考える文化があるように思える。組織で働く私たち個人が「休む勇気」を持つことも大切だと思った。

出所:日経ビジネス2008年3月17日号:pp.1「硫黄島守備隊の強さ、上司は「休ませる勇気」を」
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )