柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

極意

2009-02-11 09:20:06 | Weblog
経団連会長まずいですね。我が会社の派遣切りで叩かれた後は200年の付き合いという友人とつるんでの悪事ですか。何でもこのお二人、先祖代々地元大分の名家つながりだそうです、地主と庄屋、お代官と越後屋(これは違いましょうが)、だから200年。そういえば派遣切りで問題になったのも地元大分の工場でしたか。さてさて進退問題ですな。世界のトヨタをはじめとする自動車業界を象徴にして、創業者がきっと草葉の陰で泣いていよう松下(社名変えれば何やってもいいというわけにはいきますまいに)の当然の如き首切り、キャノンも例外ではないのは重々承知しますがね、こういうタイミングでこういう暴露というのはこの人の運の問題ですかね。大企業の解雇方針について一言。奥田さんが会長にいたらトヨタはこれだけ首切りしたでしょうか。キャノンはまだ公然とは首切ってませんからね。お家の大事。これは従業員も十分に理解してます。だから給料減らされるのは覚悟してます。ワークシェアリングなんて横文字使わないでちゃんと説明して非常体制組むべきなんでしょうに。社長や幹部の給料を従業員に回す、仕事の減った分、給料減らしてなんとか凌ぐ。これじゃないんですかね。ゴーンさんがあっさり首切るなら文化の違いなんて我慢も呑み込み方もできるでしょうが、日産が解雇宣言したのはほんのこの前でしたね。本丸が倒れたら賃金闘争もくそもなくなるわけです。そんなことは皆わかってます。本丸の動向を息を潜めて窺ってるのです。そこであっさり減産だ人員整理だと来る。間に何かないかい?と突っ込み入れたいくらいの機械的な処理。あれだけ報道されましたから日本中の人が知ったでしょう、大企業の名の下にはどれだけの下請け工場が仕事を受けているか。そしてその一つ一つが優れた技術を誇っている。が、下請けの哀しさ、高度の技術は安く買い叩かれて大企業の名声にかき消されていく。もちろんそういう構造化に(大手ゼネコンに象徴されますね、大ブランド化です)日本は未曾有の経済成長を遂げ富み栄えてきたのです、否定するとか非難するとかの問題ではありません。そしてそういう構造こそが修正された成熟した資本主義(マルクスが言う労働者からの搾取という原始的な資本主義ではなく)であり、日本人の気質にも合い、護送船団的に端々にまで利益が回っていく造作であったわけです。が、出口が一つしかなかったものですから(外需依存)そこが塞がってしまうとすぐに目詰まりです、他に捌けません(貧弱な内需)からラインと止めるしかありません。こんなところにトヨタ方式は当てはまらないのでしょうが、不具合が生じたら直ちにラインを止めよです。そして入ってくるべきお金が回ってこなくなる。あらら。この前、国会で民主党の枝野さんが、だから前から言ってただろう内需を早く拡大しろってと叫んでましたが、どうせあんたたちがやってもイケイケドンドンだったに違いないんです、儲かるうちはこのまま行け~って。アメリカ人の経済観念(金への観念、ひいては日常生活の堅実さという概念)のいい加減さに今更のようにびっくりした人が多かったでしょうが、そこにつけこんで大儲けしていたのがトヨタでありキャノンであり日本の企業だったのです。そういう仕組みもわかりました。で、世の中の有識者たちが口を尖らせて非難します、だから言っただろう?!みんなそうです。あの時ああ言ったのは俺だ、こういって誤ったのはあいつだって(いま矢面は竹中さんです。もっとも、この人もしれっとして平気の平左ですが)。内需拡大って言ってももう日本人は十分に持ってます。何もかも十分に持ってます。この辺りで分を知る、身の丈を知るという方向転換が必要なんでしょうね。金が入用なのに内需が上向かずどうしようかと周りを見渡したらああ、あそこに未開で肥沃の地があるじゃないかと出て行った満州事変頃の状況に似ているんじゃないですか。私如き者でもそう思います。戦争に踏み込んだのも外への出口(つまり外からの供給)が塞がれたからでしたものね。悪い時にはそれなりにじっと我慢する。思えばあれだけ儲けてきた企業です、豊かな日本です、こういう危急時に対する備えというか蓄えはあるでしょうにね、こういう事態であればあるほど企業の態度、姿勢が問われましょうに。そういう意味ではトヨタではなくパナソニックの右倣えの態度がこの国の文化、日本人の気質の変化の象徴でしたね。上にも書きましたが、経営の神様とまで崇められている創業者の基本理念、それが日本の経済成長をしっかり支えてきたのですが、従業員は家族だ(終身雇用)の崩壊。いや、そうは言っても私のようなへそ曲がりもたくさんいましょう、家族なんていってもらわなくて結構、仕事は仕事、割りきってもらいたいなんてね。でも、終身雇用という安心はやはり大きいでしょう。少々の山谷があっても生活が給料が保障される安心は大きいです。苦渋の選択。もうこんな言葉は人の心を動かしません。苦渋の選択して従業員を守る。そう言いなさい。給料が減ってすまないけれどここは辛抱しよう、辛抱してくれと今こそトップが言うべきなんでしょうに。そんな気楽に理想論を言わないでくれなんて反論があるでしょうね。でも、いままであれだけ儲けてきた事実は消えませんからね。苦しくなったからあなたは要らない。それじゃぁ筋が通りますまい。そう思うのです。ただし派遣切りはこれは別問題と思います。そもそも派遣社員とはそういう立場ですから。派遣法がどうのこうのと論議されてますが、労働者の味方さん達、社民党さんやら連合さんやらも賛成した法律ですわ。こちらについては企業が悪いなんては言えないと思ってます。もっとも、それでも社員として守るなんて企業があるなら立派なことです。こういうところで働ける社員は幸せです。大賞賛です。。恒産なくして恒心無し。テロをなくすためには腹いっぱい食わせることだ。統治の極意はここにあるのでしょうね。
コメント
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