柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

詩人

2009-02-02 08:09:00 | Weblog
映画「マンマ・ミーア」見ました。60歳前の男女が唄って踊ります。全編アバのあの大ヒット曲の大奔流。大音響が体を包みます。舞台は綺麗な地中海ギリシャの海。元気でました。ダンシングクイーンを体中に浴びながら、こうやってはじけて生きなければ、と思いました。年譜繰るとアバのヒットは1977年から80年頃、あああの頃ですよ皆様。カーラジオでディスコで聞いていたあの大ヒット曲達。これだけで涙ものです。今思い浮かべられなくてもご覧になれば一瞬であの時代に戻れますよ、体が覚えています。俳優達には詳しくないのですが、昔のジェームスボンドがいました。みんなうまいわ。是非ご覧になればいいと思いました、御同輩の皆様。
 天声人語が福井県の町が募集した「日本一短い手紙」を紹介しています。天声人語は高校生の俳句や短歌など、こういうものを紹介してくれるからありがたいと思ってます。「トラックの排ガスのにおいが好き、島へのフェリーを思い出すから」いいでしょう?ふるさとへの郷愁が胸を締め付けます。田舎に帰るというのは、きっと田舎もんと小馬鹿にされる代償として与えられた田舎もんの特典なんです。田舎のあるものの特典なんです。胸を張ればいい。私も学生時代感じたものです、久しぶりにローカル線の車窓から見る海、駅から見る景色。こんな単純な若輩ですら感じたことです、理由があって帰るに帰れない人、くたびれ傷ついても帰れない人・・そんな人達にとってふるさとを思い出すよすが、それがどんなものであっても胸かきむしられるものでししょうね。上野駅にふるさとの方言を聞きに行くという句も有名ですよね。そこには集団就職という特別の色が上塗りされてますから余計に響きます。トラックの排ガスのにおい。フェリー積み込みの際の雑踏、係員の大きな声、高い天井に響く大きな音、寒風の吹きさらし・・目に浮かびます。このストレートさが胸を刺すんでしょうね。読めば読むほどに涙が出てくる思いになります。「いのちの終わりに三日下さい。母とひなかざり。貴男と観覧車に。子供達に茶碗蒸しを。」これもいいでしょう?幼い頃の思い出、若い頃の記憶、そして子供達。こうやって人は生きてくるのです、歳をとっていくのです。沁みます。こういう言葉を綴りたいと、心底思います。こういう風にふりかえりたいと切に望みます。市井の詩人達に拍手です。朝からいい気分です。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする