ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ショック!ブショネワイン

2010-01-09 17:03:40 | ワイン&酒
ワインを飲んでいると、たーまに出会うのが「ブショネ」

いわゆる「コルク臭」です。

カビ臭や雑巾のような不潔っぽい匂いがあり、口にすると匂いそのままのカビ臭い風味です。
また、木片をそのまま齧ったようなギシギシした感じもあったりします。


このブショネの原因のひとつとされているのが
TCAトリクロロアニソル、2,4,6-Trichloroanisole:漂白剤に使用される化学物質)です。

TCAが付着したコルクで栓をしたワインは、上記のような臭くて飲めないものになってしまうわけですが、このブショネの発生率は約5%といわれています。
100本のワインのうち5本がブショネだとしたら、けっこう危険率は高いですよね?

ただ、一般の人ならほとんどわからない軽いものから、誰が飲んでもダメでしょうという重度のものまで、ブショネには程度があり、人によっても感じ方が違います。



さて、前置きが長くなりましたが、
先日、仕事でテイスティングするワインを開けたところ、コルクに縦の筋が入り、嫌な予感が・・・

コルクの香りを嗅ぎ、グラスに注いでみると、案の定ブショネでした

しかもかなりの重度のブショネで、もちろん飲み込むこともできず、ワイン本来の個性もまったくわかりません。



そこで、TCA除去に効果があるという 「ラップ」 に登場願いました。
(サランラップ、クレラップetc...)

ラップを30cmの長さほど用意して別の容器(デカンタなど)に入れ、ブショネワインを注ぎ、軽くひとまぜしてしばらく放置すると、ラップのポリエチレン系の物質がTCAを吸着してくれる、という対処方法です。

放置時間は状態に応じ、ラップは様子を見て新しいものに交換します。



今回はラップを直接ワイングラスに入れる荒業も試しました(笑)



その結果、
ある程度は軽減できましたが、今回のブショネがあまりにも強烈だったので、
このワインは救えませんでした(→残念ながら捨てました)

このラップを使う方法では、ワイン本来の物質まで吸着すると味が変わるのでは?とも言われていますが、ラップはどの家庭にもあるので、悪あがきを承知で試してみてもよいのではないかと思います。

そのワインが非常に大切なものだったりすると、ブショネは本当にショックで、ガックリしてしまいますよね。

ブショネフリーなら、私はスクリューキャップでも全然OKなのですが、天然コルクにこだわる人はまだまだ多いようで・・・


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