ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

忙しい年末にほっこりーシャブリワインの多様性を音楽で楽しむ「シャブリ・シンフォニー」

2022-11-29 23:54:58 | ワイン&酒

いよいよ12月。

年末を迎える時節、お疲れモードの方も多いかと思いますが、そんな時にリラックスできる嬉しいワイン情報として、「シャブリ・シンフォニー」を紹介します。

 

シャブリといえば、ワイン通の方ならよく知るフランス・ブルゴーニュ地方北部に位置する白ワインの産地。

シャブリの名を名乗れるのは白ワインのみで、シャルドネからつくられます。

生産者によっては、シャブリの産地で黒ブドウのピノ・ノワールを栽培し、赤ワインを造っているかもしれませんが、赤ワインはシャブリとは呼ばれません。

ちょうど先日、シャブリ地区の赤ワインの話を友人としていて、友人が持っているというワインの画像を見せてもらったら、Bourgogne Rougeでした。

 

ということで、シャブリはシャルドネからつくられる白ワイン です

 

 

シャブリには4つのカテゴリ(アペラシオン)があり、カテゴリによってキャラクターが異なります。

 

この4つのアペラシオンを音楽で表現した楽曲「シャブリ・シンフォニー」の発表会&演奏会が5月31日にありました。

この「シャブリ・シンフォニー」を聴くと気分が明るくなったり、心が落ち着いたりして、いい音楽だわ~と思いましたので、遅ればせながらですが、ここで紹介します。

 

 

 

ブルゴーニュワインにおいては、「シャブリ」は輸出量の30%のシェアで(2021年)、日本に輸出されるブルゴーニュの白ワインの53%を占め、日本で最も購入されている全世界のワイン産地の中で8位にランクインしています。(ちなみに4位が「ブルゴーニュ」)

 

基本は、単に「シャブリ」と呼ばれる「AOC Chablis」(3,712 ha)

シャブリワインの66%がこれに入り、大部分はキンメリジャンと呼ばれる石灰質土壌の斜面に植えられています。

 

その下のカテゴリが、「AOC Petit Chablis /プティ・シャブリ」(1,230 ha)

丘陵斜面の高地台地、標高230~280mに植えられています。

ポートランディアン紀の硬い石灰質土壌のため、根が入りにくく、フレッシュで爽やか、キリリと清々しく、若いうちに楽しみたいワインになるといわれます。

標高が高く、風が吹き抜けることも、キリっとしたワインができる理由です。

格付けとしては下ですが、ワインの比率は19%と多くないので、プティ・シャブリを見つけるのはやや難しいかもしれません。

 

シャブリのワンランク上のカテゴリが、「AOC Chablis 1er Cru/シャブリ・プルミエ・クリュ」(778 ha)

プルミエ・クリュには40のクリマ(区画)があり、それぞれの個性を表現するワインが楽しめます。

ワインの比率は14%と、プティ・シャブリよりやや少ないですが、日本市場では、プティ・シャブリよりも多く目にする機会があるように思います。

 

カテゴリの最上級が、「AOC Chablis Grand Cru/シャブリ・グラン・クリュ」(101 ha)

シャブリ地域を流れるスラン川の右岸の急斜面に、7つのグラン・クリュのクリマが連なっています。右岸なので日当たりがよいのが特徴です。ワインの比率はわずか1%。

グラン・クリュになると、同じ「シャブリ」の名が付いていても、醸造方法が異なり、味わいは重厚で複雑味があり、7つのクリマそれぞれのキャラクターの個性豊かな味わいが楽しめ、熟成も期待できます。

 

 

私を含め、古くからのフランスワインファンにとって、フランスの白ワインといえばシャブリ、だったかと思います。

キリリとよく冷えたシャブリに生ガキを合わせて、というペアリングが、昔からよく言われていましたが、生ガキに合わせるなら、キリリとフレッシュなプティ・シャブリかベーシックなAOCシャブリがよく、グラン・クリュになると、クリーミーでコクのある料理の方が合わせやすくなります。

 

シャブリは4つのアペラシオンの特性があって多様性があるワイン、ということを音楽で表現したのが「シャブリ・シンフォニー」です。

 

4つのアペラシオン「プティ・シャブリ」、「シャブリ」、「シャブリ・プルミエ・クリュ」、「シャブリ・グラン・クリュ」それぞれをイメージし、4つの楽曲が作られ、発表会で生演奏が披露されました。

作曲家は松波匠太郎さん(1983年生まれ)

 

松波匠太郎さん(右端)と演奏家の皆さん

左端は、ワインのプレゼンテーションをしてくれたソムリエの近藤佑哉さん(レカン)

 

4つのカテゴリーの松波さんのイメージは、以下の通りだそうです。

 

プティ・シャブリ:軽やかで明るく、よくも悪くも溌剌さが見え力

シャブリ:バランスよくオーソドックス、親近感、普遍的

シャブリ・プルミエ・クリュ:明らかな丸み、深く、しなやか

グラン・クリュ:頂点、より深く、輝かしい

 

ワインのイメージが音楽にどう反映されているのか、ぜひ専用サイトから聴いてみてください。

 

シャブリ・シンフォニー

作曲:松波匠太郎

https://www.chablis.jp/discover/chablis-in-sounds-and-images/chablis,2114,8331.html

 

QRコードからもアクセスできます

 

楽曲は無料で聴くことができます。

年末の慌ただしい時期にこの楽曲を聴いて、ほっと癒されてください

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 私の癒しの素はだいたいこれ | トップ | 「ポルトガルワインコンテス... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ワイン&酒」カテゴリの最新記事