ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

中国・上海のワイン事情

2019-11-18 18:37:33 | ワイン&酒
先週出かけていた上海の食は実に豊かで、いろいろと食べてきました。
その中には日本でお馴染みの酢豚もありましたが、豚の調味、調理方法が日本と違い、カラメルコーティングされたような衣がカリカリしていて、これが本場物なんですね~

名前のわからない川魚や田ウナギの料理など、いろいろと食べてきましたので、これら料理については、また改めて紹介します。

本題はワインです。
上海では、しっかりとした料理のメニュー、ドリンクのメニューが用意されている店3軒ほどに入りました。

ドリンクメニューにはワインも載っていますが、周りを見渡しても、誰もワインを飲んでいません。ほぼビールです。どの店でもです。

かく言う私も、ワインではなく、ビールを注文しました。
昼間の展示会でワインを試飲しているので、夜はシャキッとビールを飲みたい!っていうのもありますが、もう二つ、大きな理由がありました。

まずひとつは、ビールは日本円で250円〜400円ほどで飲めるのに対し、ワインの価格は最低でもビールの10倍以上も高いからです。



ビールは500mlの瓶で来ますので、1本でほどよく満足できます。
ある店では、斜め前のおじさん4人グループがビールを飲んでいましたが、飲み干すと、どんどん追加ビールを頼んでいました。
その店のビールは1本16元(1元=16円で計算すると、256円)ですから、迷いなく追加しますよね。

もう一つの理由は、ワインリストが前時代的、ということです。
日本では25年前のワインブーム前後から知られるようになったチリのカベルネ・ソーヴィニヨンや、フランスはボルドーの赤ワインばかりがオンリストされていました。

それらの赤ワインはガッツリパワフルで、たしかに一部の中国料理には合うかもしれませんが、中後喜う料理は野菜や魚介類の料理も多いので、私なら、フレッシュで軽やかな白、しなやかでジューシーなロゼなどを合わせてみたいと思うシーンが多々ありました。

値段が高く、料理とのペアリングが微妙なワインばかりがオンリストされているのですがら、ここからワインを選べと言われても、なかなか難しいように思いました。

今回は行きませんでしたが、フランス料理やイタリア料理の店だったら、もしかしたら、違った内容のワインリストだったのかも?

いやいや、上海市内で一番ワインが充実し、日本のサケも置いてあると聞いて行った店の棚も、実に前時代的でした。
フランスはボルドーばかりで、アルザスは2生産者のみ。
ブルゴーニュも大手数社のみ。
ドイツは皆無でした。

イタリア、オーストラリア、ニュージーランドはありましたが、懐かしい〜と思うようなラインナップです。
チリも多いですが、大手の、日本でなら1000円台のワインが、これまた懐かしいラインナップで並んでいました。

シャンパーニュはたくさんありましたが、価格が高く、高級品です。



道理で、ProWein China の会場のシャンパーニュラウンジに人が群がって飲み放題状態になってるわけですよね。


というように、上海で最も充実しているワインショップでさえ、日本のワインブーム以前の状態なのです。。。

しかし、中国ではワインの輸入が増え、中国産ワインの生産も右肩上がりです。

中国では、ワインはいったいどこで誰が消費しているんでしょうか?

今回は、上海だけを見てきた感想ですが、中国のワイン市場については、今後も引き続き探っていきたいと思います。


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