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ワインな ささやき ※「はてなブログ」(https://may-w.hatenablog.com/)に引っ越します

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

南仏コリウールのワイン@ドメーヌ・カズ

2017-08-07 11:57:48 | ワイン&酒
先日の試飲会で、南仏のビオディナミ生産者「ドメーヌ・カズ」がコリウールとバニュルスの間に所有する「レ・クロ・ド・ポリーユ」のワインを初めて飲みました。


Les Clos de Paulille  Blanc 2015 / Rouge 2015  Domaine Cazes
(France, AOC Colliure)

「レ・クロ・ド・ポリーユ」は2012年にカズが買収したドメーヌで、90haの土地のうちブドウが植えられているのは63ha。

南仏ルションのリヴザルトにある「ドメーヌ・カズ」は1997年にオーガニック、ビオディナミに転換し、所有する220haの畑がビオディナミで栽培されていますが、レ・クロ・ド・ポリーユはまだビオディナミには至らず、オーガニックに近い栽培を行なっています。
今後は、よりオーガニックな方向になっていくようです。

さて、上のワインですが、

は、グルナッシュ・ブラン80%、グルナッシュ・グリ20%のブレンド。
キリリとしたミネラル感があり、非常にフレッシュ。ほのかな塩味も感じます。まだまだ若い!冷えていたものを飲んだので、よりそう感じたのかもしれません。冷えたところから、温度を徐々に上げながら(放置しながら)飲むと、また印象が違ってくるかもしれません。

は、グルナッシュ60%、シラー25%、ムールヴェードル15%。
しっかりした凝縮感があり、とってもパワフル!そして、これも若い!
果実味も、タンニンも、酸もイキイキとして、フレッシュです。
ヴィンテージも2015年と若いので、開けてすぐ飲むと、硬さが気になります。
早めに抜栓して空気に触れさせ、ある程度大きさのあるブルゴーニュ型のグラスで、ゆっくり飲むことをオススメします。

※輸入元参考価格:白、赤とも 3920円(税抜)



リヴザルトは天然甘口ワインVDN(Vin Doux Naturel)の産地です。


Rivesaltes Grenat 2012 / Muscat de Rivesaltes 2013 Domaine Cazes

どちらも中身が空いているのでわかりにくいですが、
リヴザルト・グルナは、グルナッシュ・ノワール100%の稀少な赤の甘口で、
ミュスカ・ド・リヴザルトは、マスカット・オブ・アレキサンドリア50%、ミュスカ・ア・プティ・グラン50%の極甘口です。

どちらも素晴らしいデザートワインで、ビオディナミです。
ビオディナミのリヴザルトのワインは、世界唯一だとか?

※輸入元参考価格:各 2770円(税抜) 375ml



ドメーヌ・カズは、1895年に遡るワイナリーです。



1895年にブドウ栽培を始めたミシェル・カズの孫になるベルナール・カズさんが10年前の2007年5月に来日した際に、お目にかかる機会がありました。
1997年にオーガニックへに転換し、ちょうど10年目のことです。

この時、山梨県勝沼にあるメルシャンの城の平畑で、ビオディナミの散布液“プレパラシオン”を撒くデモンストレーションを取材しました。



プレパラシオン500番(牛の角に牛糞を詰め、土中に6カ月置いたもので、見た目は土と変わらず、匂いもなく、触っても無害)を使います。




容器に入れて雨水に溶かし、1時間手でかき混ぜて散布液を作り、それをベルナールさんがメルロ(2005年植樹)の畑に散布しました。



プレパラシオンをつくる作業を見たのも、実際に撒くのを見たのも、これが初でした。

ドメーヌ・カズでは、200haを超える広大な畑をオーガニック、ビオディナミで栽培し、ブドウ畑の周辺は、何もしない土地が囲んでいます。
ベルナールさんは、広い土地だからこそ、また、何もしない土地が囲んでいることこそ、オーガニック、ビオディナミがうまくいく秘訣だと言っていました。

我々は、小さい土地の方がいいんじゃないの?と思う傾向がありますが、広い方がいい、というベルナールさんの話に、なるほどね!と思ったものでした。

※輸入元:メルシャン株式会社


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