ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

伊ピエモンテの地場品種ブドウ「ルケ」のワイン

2016-10-25 12:56:18 | ワイン&酒
先週、都内で開催されたイタリアワイン試飲会「BORSA VINI」に来日、出展していた
ピエモンテのワイナリーの RUCHÈ(ルケ)のワインが素晴らしかったので紹介します。


左)RUCHÈ DI CASTAGNOLE MONFERRATO D.O.C.G. LACCENTO 2015 MONTALBERA
右)RUCHÈ DI CASTAGNOLE MONFERRATO D.O.C.G. LA TRADIZIONE 2015 MONTALBERA

ルケ は以前も紹介しましたが、イタリアのピエモンテ州モンフェッラートの黒ブドウです。
RUCHÈ-ルケという名前は“roche”から来ていて、英語ではrock、つまり岩。
モンフェッラートの岩の多い地域にあったからだそうです。

ルケは非常に古いブドウ品種で、元々はフランスのサヴォワ地方から持ってこられたそうですが、今ではサヴォワには見られず、ピエモンテのモンフェッラートを代表するブドウ品種になっています。

ルケは赤いベリーのアロマとニュアンスがあり、野性的で粗野な表情も見せる赤ワインとなり、私はその個性が好きですが、1970年代までは衰退の一途を辿っていたそうです。
しかし、ある人物の努力により、1970年代の後半になるとルケの良さが見直されるようになり、品質を追求したルケのワインが造られるようになってきました。
その結果、1987年にはDOCを、2010年にはDOCGに昇格し(RUCHÈ DI CASTAGNOLE MONFERRATO)、ルケはモンフェッラートの代名詞的存在となったわけです。

ワインを飲むなら、その土地らしいワインを飲みたい私は、モンフェッラートのルケに非常に興味があり、見かけると必ずといっていいほど試飲しています。

今回もルケ発見!
もちろん、飲みました。



しかし、このMONTALBERA-モンタルベーラという造り手のルケのワインは、今までのルケとかなり違っていました。
彼らはピエモンテの生産者ですから、バローロもバルバレスコもつくっています。
その一方で、というか、こちらがメインと考えているようなのですが、ルケに注力し、ルケだけで何種類ものワインをつくっています。

彼らのルケは、少し野性的なニュアンスを残しながらも、気高く、洗練された優雅さも持ちあわせています。
これは素晴らしい!
右のLACCENTOはイタリアの評価誌で99点を獲得しているとか。
さもありなん。

マイナーなローカル品種をリスペクトし、その個性を引き出しながら最高のワイン造りをしていくという方向性は、今後は確実に大きなトレンドとなっていくはずです。

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コメント
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