8月末、チリのスーパーワイン、コンチャ・イ・トロ社の「ドン・メルチョー」のチーフワインメーカーであるエンリケ・ティラド氏が来日し、日本で新発売する2011年ヴィンテージを含む5つのヴィンテージを紹介しながら、ドン・メルチョーの魅力を語ってくれました。
エンリケ・ティラド氏 Winemaker -Don Merchor
ドン・メルチョーについては、以前にも詳しくリポートしましたが、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンを代表するワインとして知られています。
ドン・メルチョーは、チリのマイポ・ヴァレーのプエンテ・アルト地区のさまざまな区画のカベルネをブレンドしてつくられます。
「プエンテ・アルトは小さなユニークなアペラシオン」と、ティラド氏は言います。
私もここは実際に訪問しましたが、すぐ近くにマイポ川が流れ、アンデス山脈は目の前にあります。
このアンデス山脈が大事で、「アンデスから土が来る」とティラド氏。
アンデスが雪解け水や冷たい空気ももたらします。
だから、「ドン・メルチョーは“アンデスの表現”」と言います。
プエンテ・アルトの畑は120haで、細かくは142区画ありますが、大きく7つの区画で構成されています。
ティラド氏いわく、「7つの区画はそれぞれ異なるアロマがある。それを最後にブレンドする。年により異なるブレンドになるが、ほぼ7つの区画を使う。区画をブレンドすることで、複雑さが生まれる」。
120haの畑には、カベルネ・ソーヴィニヨンの他に、カベルネ・フラン、メルロ、プティ・ヴェルドも植えられており、年により少量ブレンドされています。
1987年のファーストヴィンテージ以来、歴代のブレンドを見てみると、ずっとカベルネ・ソーヴィニヨン100%でつくられてきました。
1995年に一度だけメルロが入り(3%)、1996年はまたカベルネ・ソーヴィニヨン100%に戻り、1999年から、年によってごく少量のカベルネ・フランが入ってきています。フランを入れる理由は、より複雑なアロマを出し、最終ブレンディングでまろやかさを出すためだそうです。
2006年に植えたプティ・ヴェルドは、もうそろそろ特別な条件の年にブレンドされる予定で、
同じ年には以前のメルロを抜き、新たなメルロを植えています。
他のブドウがブレンドされることはあっても、主役はカベルネ・ソーヴィニヨンです。
ドン・メルチョーはカベルネのワインなので、フランやプティ・ヴェルド、メルロなどの品種は加えても、カルメネールは使いません。
今回、ドン・メルチョーとのマリアージュディナーの料理を考えたという、シェフのブルーノ・メナール氏(かつて銀座「ロオジェエ」でエグゼクティブシェフとして活躍)が臨席しました。
ブルーノ・メナール氏
ドン・メルチョーの各ヴィンテージワインのテイスティングノートやブレンド情報を研究し、スモーキー、コーヒーといったキーワードを読み解いたそうです。
「ドン・メルチョーの7つの区画の組み合わせは料理にも通じる。自分も、料理とワインが最も合うコンビネーションを探していった。
ワインを飲んだり、香りを嗅いだり、キッチンですることもワインづくりも、エモーション(感情、感動)をつくっていくこと。機械ではできないよね」とメナール氏。
DON MERCHOR (Chile, Maipo Valley)
今回試飲したのは、左から、2013年、2011年、2010年、2005年、1988年の5ヴィンテージ。
エチケットデザインもボトルの形状も、少しずつ変わっています。
新登場から2年目になる1988年ヴィンテージは素晴らしい熟成を重ねていますが、酸がしっかりあり、まだまだ若さを感じます。でも、ひとつのいい飲み頃にあることは間違いありません。複雑な香りがあり、しなやかで、スモーキーっぽさも感じました。
2005年、2010年と飲んでくると、フルーツの甘み、フレッシュ感、スパイシーさもあり、1988年とは違った若さを感じます。
2011年は、カベルネ・ソーヴィニヨン99%に、カベルネ・フラン1%。
新樽比率70%で、15カ月樽熟成させています。
この2011年がこれから日本で発売される最新ヴィンテージになりますが、2011年は2010年より冷涼で、カベルネには素晴らしい年となりました。酸をしっかり含んだ果実味があり、複雑で洗練され、スムースでエレガントで。ミネラル感もあります。
2013年ヴィンテージのリリースは先になりますが、フローラルで、ミントのニュアンスが若々しく、バランスが取れて心地よさはあるものの、まだかわいらしさを感じます。
コンチャイトロ社には、また別のスーパーチリワイン「アルマヴィヴァ」があり、ティラド氏はアルマヴィヴァのワインメーカーも務めています。
この二つのスーパーワインのコンセプトは異なり、
ドンメルチョーはチリのカベルネを表現するワイン、
アルマヴィヴァは複数の品種のブレンドワイン、とのこと。
ドンメルチョーは、色々な区画の同品種のカベルネが音楽を奏で、
アルマヴィヴァは、異なる楽器(品種)が音楽を奏でる。
なるほどね!
ティラドさん、メナールシェフ、ありがとうございました!
※「7つの区画」の詳細は以前の記事をご覧ください → コチラ
(輸入元:日本リカー株式会社)
エンリケ・ティラド氏 Winemaker -Don Merchor
ドン・メルチョーについては、以前にも詳しくリポートしましたが、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンを代表するワインとして知られています。
ドン・メルチョーは、チリのマイポ・ヴァレーのプエンテ・アルト地区のさまざまな区画のカベルネをブレンドしてつくられます。
「プエンテ・アルトは小さなユニークなアペラシオン」と、ティラド氏は言います。
私もここは実際に訪問しましたが、すぐ近くにマイポ川が流れ、アンデス山脈は目の前にあります。
このアンデス山脈が大事で、「アンデスから土が来る」とティラド氏。
アンデスが雪解け水や冷たい空気ももたらします。
だから、「ドン・メルチョーは“アンデスの表現”」と言います。
プエンテ・アルトの畑は120haで、細かくは142区画ありますが、大きく7つの区画で構成されています。
ティラド氏いわく、「7つの区画はそれぞれ異なるアロマがある。それを最後にブレンドする。年により異なるブレンドになるが、ほぼ7つの区画を使う。区画をブレンドすることで、複雑さが生まれる」。
120haの畑には、カベルネ・ソーヴィニヨンの他に、カベルネ・フラン、メルロ、プティ・ヴェルドも植えられており、年により少量ブレンドされています。
1987年のファーストヴィンテージ以来、歴代のブレンドを見てみると、ずっとカベルネ・ソーヴィニヨン100%でつくられてきました。
1995年に一度だけメルロが入り(3%)、1996年はまたカベルネ・ソーヴィニヨン100%に戻り、1999年から、年によってごく少量のカベルネ・フランが入ってきています。フランを入れる理由は、より複雑なアロマを出し、最終ブレンディングでまろやかさを出すためだそうです。
2006年に植えたプティ・ヴェルドは、もうそろそろ特別な条件の年にブレンドされる予定で、
同じ年には以前のメルロを抜き、新たなメルロを植えています。
他のブドウがブレンドされることはあっても、主役はカベルネ・ソーヴィニヨンです。
ドン・メルチョーはカベルネのワインなので、フランやプティ・ヴェルド、メルロなどの品種は加えても、カルメネールは使いません。
今回、ドン・メルチョーとのマリアージュディナーの料理を考えたという、シェフのブルーノ・メナール氏(かつて銀座「ロオジェエ」でエグゼクティブシェフとして活躍)が臨席しました。
ブルーノ・メナール氏
ドン・メルチョーの各ヴィンテージワインのテイスティングノートやブレンド情報を研究し、スモーキー、コーヒーといったキーワードを読み解いたそうです。
「ドン・メルチョーの7つの区画の組み合わせは料理にも通じる。自分も、料理とワインが最も合うコンビネーションを探していった。
ワインを飲んだり、香りを嗅いだり、キッチンですることもワインづくりも、エモーション(感情、感動)をつくっていくこと。機械ではできないよね」とメナール氏。
DON MERCHOR (Chile, Maipo Valley)
今回試飲したのは、左から、2013年、2011年、2010年、2005年、1988年の5ヴィンテージ。
エチケットデザインもボトルの形状も、少しずつ変わっています。
新登場から2年目になる1988年ヴィンテージは素晴らしい熟成を重ねていますが、酸がしっかりあり、まだまだ若さを感じます。でも、ひとつのいい飲み頃にあることは間違いありません。複雑な香りがあり、しなやかで、スモーキーっぽさも感じました。
2005年、2010年と飲んでくると、フルーツの甘み、フレッシュ感、スパイシーさもあり、1988年とは違った若さを感じます。
2011年は、カベルネ・ソーヴィニヨン99%に、カベルネ・フラン1%。
新樽比率70%で、15カ月樽熟成させています。
この2011年がこれから日本で発売される最新ヴィンテージになりますが、2011年は2010年より冷涼で、カベルネには素晴らしい年となりました。酸をしっかり含んだ果実味があり、複雑で洗練され、スムースでエレガントで。ミネラル感もあります。
2013年ヴィンテージのリリースは先になりますが、フローラルで、ミントのニュアンスが若々しく、バランスが取れて心地よさはあるものの、まだかわいらしさを感じます。
コンチャイトロ社には、また別のスーパーチリワイン「アルマヴィヴァ」があり、ティラド氏はアルマヴィヴァのワインメーカーも務めています。
この二つのスーパーワインのコンセプトは異なり、
ドンメルチョーはチリのカベルネを表現するワイン、
アルマヴィヴァは複数の品種のブレンドワイン、とのこと。
ドンメルチョーは、色々な区画の同品種のカベルネが音楽を奏で、
アルマヴィヴァは、異なる楽器(品種)が音楽を奏でる。
なるほどね!
ティラドさん、メナールシェフ、ありがとうございました!
※「7つの区画」の詳細は以前の記事をご覧ください → コチラ
(輸入元:日本リカー株式会社)