拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

シェーンベルクの「地上の平和」

2015-10-26 17:36:49 | 音楽
「Friede」の使用例についてコメントをいただいた。「Ehre sei Gott in der Hoehe und Friede auf Erden」。これ、ミサのグロリアの冒頭「Gloria in excelsis deo et in terra pax」(高きところの神に栄光、地には平和あれ)のドイツ語訳で、もとはルカ伝第2章第14節。こういった昔から歌いつがれているような成句は今でも古いままかと思いきや、1912年のルター聖書では「Frieden」に置き換えられている(1545年版ではもちろん「Friede」)。そんななか、シェーンベルクのアカペラの合唱曲「Friede(nはない) auf Erden」(邦題=地上の平和)に注目。歌詞を全部読んでみたら、対になってるはずの「Ehre sei Gott in der Hoehe」がない。つまり、ルカ伝とは関係がなく、19世紀後半のスイスのマイアーという人の詩に曲をつけたものだ。とってもきれい……だが、歌うのはとっても大変そう。まだ後記ロマン派っぽさが残ってるとはいえそこは20世紀の音楽(難しさはオネゲルどころではない)。しかもソプラノに高い「シ」がある。

”Friede”oder”Frieden”(シュッツの歌詞)

2015-10-25 10:16:46 | 音楽
シュッツの宗教的合唱曲集の第16番(Ein Kind ist uns geboren)の歌詞(イザヤ書第9章第6節)に出てくる「平和」について、楽譜上は「Friede」だが、「Frieden」ではないか、という疑問が出た。結論的には、楽譜どおりでよく、私の資料が「Frieden」になっていたのがいけなかった。訂正します。これ、どちらでも間違いではない。「平和」は、通常は「Frieden」だが、雅言葉で「Friede」。で、件の部分は、ルター聖書の1545年版(ルター生前)及びシュッツの生前に出版された楽譜の歌詞は「Friede」(あるいは語尾のとれた「Fried」)。われわれの会が使ってる楽譜(旧版)はそれを採用したのだ。ちなみに、新版は「Frieden」。新版は現代的用法を取り入れたのだろう(ただし、新版が常にそうというわけではなく、旧版が現代的用語を用いてる部分を原典に戻したりもしてる。何でも変えてやろう、という感じがする。)。すべて原典で、というわけにはいかない。すべて現代的用語というわけにもいかない。いずれも通常慣れしたんでるものと全然違うものになってしまう。だから、旧版と新版のどちらを使うかを決めたら、基本的にそれに従えばいい、と思ってる。

小鉄は早熟

2015-10-24 17:02:12 | 日記
鉄二改め鉄江さん改め小鉄(ふさこさんからいただいた名前)はとっても早熟でいい子。うちに来て間がないのに肉も麺もご飯もくっつかない。というか、2番目なんで育て方が板についていたのだろう。初子の鉄子はどう扱ってよいか分からず、いっとき不良少女になってしまった(焼き入れをしないでよいタイプだったのだが、焼き入れをして油ならしをした方が良かったのかもしれない)。それでも立派に更生して今では優等生。さあ、今後は二人を適材適所で使いこなそう。鉄子はステーキやオムライス。小鉄は野菜炒めやチャーハン。小鉄はいい子だが中華鍋で底の円が小さいから、オムライスの卵を焼こうと思ったらやたらに小さいのができてしまった(でも卵一個でけちってるから、隙間ができないと言えばできない)。

とっても汚い音でダースベイダーのテーマを吹く

2015-10-24 14:58:59 | 音楽

荒川に三つの鉄橋が並ぶ。常磐線(千代田線)、つくばEX、東武伊勢崎線(カタカナの名前(写真にも写っているツリーにちなんだ名前)があるようだがここでは使わない)。久しぶりに貨物列車を見た(2枚目)。荒川の土手で今日「とっても汚い音で」吹いたのはダースベイダーのテーマ(「帝国のマーチ」ともいう)。いつになったら「とっても汚い音で」がとれるのだろうか。こないだ歌の練習の後の飲み会で「今日荒川の土手でトランペットでとっても汚い音でスターウォーズのテーマを吹いた」と言ったとき、皆がとーってもうれしそうに復唱したのは「荒川の土手」でも「トランペット」でも「スターウォーズのテーマ」でもなく「とっても汚い音で」だった。

合わせるためならなんだってする

2015-10-23 10:29:23 | 音楽
本番直前のシュッツを歌う会、とってもいい感じ(練習の後、例によって大酒を飲んで、で、ぐっすり寝過ごした=気分がよかった証し)。こういう少ない人数のグループだとその日の出席メンバーによって音色が変わる。バスが充実してる昨今はとても落ち着いた響き。以前の女声が多いときは、Rシュトラウスのオペラのようなロココな響きだった。そうした音色の変化を楽しむのも乙なもの。ところで、本番の開始の音をどうやってとるかが話題になった。「軽くハミングしたら?」「それはみっともない」「合わなかったら逆にみっともない」等いろんな意見が出る。最終的にはピアノをポンと叩いて出すことになりそうだが。「みっともない」で思い出した。高校生のとき、吹奏楽部の定期演奏会で「運命」の第1、第3、第4楽章を演奏することになり、私が指揮をすることになった(オケのスコアからの編曲も私がした)。第1楽章の冒頭は合わせるのは難しい。当時、テレビで「オーケストラがやってきた」という番組があって、そこに「1分間指揮者コーナー」ってのがあって、素人がプロのオケを振る、という企画。で、どっかの中学生が運命に挑戦して、振れども振れどもオケから音が出てこない(あれは多分に「いじわる」を感じた。だって、ベームのわけのわからない棒でもコンマスのヘッツェルが合図してちゃんと出るんだから)。じゃ、自分はどうやって振ろうかと思ってるところに某先輩が悪魔のささやき。「合わせるために空振りするなんて『みっともない』ことはするなよ」。そうか、空振りは「みっともない」んだ。いや、その先輩のせいだけではない。私自身も、当時哲学青年で、「形而上」なるものを信じていた。だから、みんなの「気」が一つになればいきなり振り下ろしても合うはずだと思った。で、本番。ジャジャジャジャジャーーン!「ジャ」が一個多いでしょ?運命が扉を一個余分に叩いたんだす。見事に(?)一つにならなかった「気」。それでも反省はなし。気持ちがこもればジャが一個多いくらいなんだ、天下のフルトヴェングラーだって、さすがに一個多いということはないが、半個多かったりする、って感じで(それにしても、プロの楽団でも合わないんだから、ふるとう゛ぇんぐらーの指揮はまさに「ふるとめんくらう」)。さて、その後。青年特有の熱情が抜けて、すっかり現実主義者に変貌した今の私は合わせるためならなんだってする(必要ならハミングだっていいと思う)。運命だって合わせるためだったら4小節でも8小節でも空振りする(でも、8小節も空振りしたら途中で数が分からなくなりそう)。

性転換して鉄二にするか、鉄江さんでいくか

2015-10-22 11:27:04 | 日記
性転換と言っても私のことではない(いくらアルトを歌いたがってるからといって)。鉄子の妹を弟に性転換させようか、という話なのだ。今度うちにきた中華鍋は女の子(鉄子の妹)と決めつけていた。これは私が猫の雌しか飼ったことがないせいだ。猫と鍋は関係ないが(そういえば、猫鍋っていうのがあった。土鍋ん中で丸くなる猫の写真だ)、私にとっていとおしい家族である点は同じなのだ。ところがいい名前が見つからない。鉄江、鉄美、鉄代とかいろいろ考えたが、どれも「二番目」を表していないのだ。だから、とりあえず「鉄子妹」と呼んだのだが、ふさこさんが「鉄二」というぴったりの名前を言って下さった。さすがふさこさんだ。鉄の二番目であることを見事に言い表している。ということで、このお名前をいただくついでに弟にしちゃおうかな、と思った次第。そういえば、まっさんも鉄二だったな。さて、わが家の鉄二、やはり二人目だから私の育て方も板についている。二日目にして具材がまったくくっつかない。それどころか、つるんつるんで、ふったらもやしが飛び出てしまった。ところで、もし鉄二が「鉄江」だと「鉄江さん」と呼びたくなる。高校の音楽の先生が「たつえさん」(吹奏楽部員は陰でそう呼んでいた)だったから。これもいいなあ、たつえさんを偲ぶ感じで。じゃあ、本名「鉄二」、愛称「鉄江さん」ってことで(結局男か女かよく分からなくなった)。

鉄子妹の焼き入れ

2015-10-21 18:36:22 | 日記

鉄子に妹ができた。鉄の中華鍋。鉄子んときは鉄製にもかかわらず焼き入れをしなくてよかったんだが、鉄子妹は焼き入れが必要。で、実行。だんだんと青色の部分(焼き入れが終わった部分)が広がる(素材はブルーテンパーという鉄)。30分くらいで焼き入れ終了。回りもかなり暑い(真夏だったら大変だったろう)。さあ、このあとは油をなじませて立派なレディに仕上げよう。既に一人育て上げた経験があるから、二人目は楽(なはず)。

「アルトに戻りたきゃ人質寄こせ」

2015-10-21 10:01:29 | 音楽
こないだのマタイ受難曲の通唱会では事前のリストに載ってた人以外で知り合いがたくさんいた。私が声をかけたEさんのほか、新婚のM夫妻、某聖歌隊でご一緒のIさん等々。Eさん、Mさん、Iさんはどバス。こういうすごいバスの声にまじって昔よくバスを歌ったもんだ。一生懸命、びえーびえー(低い声を響かせようと努力してる様)とやってたけど、ぜーんぜん軽いもんな、私の声。でも、フィッシャー・ディースカウ(低いミをオクターブ上げて歌う。さしもの私だってそんなことはしない)もバスのアリアを歌うときは「バス」と表記される。で、私、最近ではもっぱらテナーかアルトを歌っていて、テナーを歌ってるところでもすきさえあればアルトに行こうと狙っている(高い(=Alt)所に昇りたがる)。ところが、アルトを歌っていた某合唱団では逆になってしまった。人数の都合で「ちょっこし」のつもりでテナーに移ったんだが、ぼちぼちアルトに戻ろうとすると(かたぎの道に戻ろうとすると)、そうかい、戻りてーのかい、じゃあ、代わりを連れてきてもらおうじゃねぇか。連れてこないうちは戻さねえ、だって……

スターウォーズのテーマは空虚五度ではない

2015-10-20 17:31:22 | 音楽
「題名のない音楽会」でこんなことを言ってた。ジョン・ウィリアムズの「スターウォーズ」「スーパーマン」「ET」のテーマが似てるのはいずれも「ドーソー」で始まるからだ、ミを除いたドソは音の印象が定まらない、それを使って宇宙を表しているんだ……と。え~~~?「スターウォーズ」の出だしが空虚五度(ミがない)?第九やさまよえるオランダ人みたいな?うそだあ。ミが鳴ってるはずだぞ。で、文句を言う前に裏をとろうとチェック。ほら鳴ってる。トランペットが「ドーソー」と吹く間、トロンボーンが低い音でミーミー出してる。空虚五度で宇宙を表すという結論を言いたいがためにミを無視するなんざジェンティルドンナを「東京限定馬」といいたいがためにあちこちで勝った事実に目をつむるのと一緒だ。ぷんぷん。ところで、この「ドーソー……」なんだけど、私の頭の中でピッチが複数ある。おかしいな。これ変ロ長調だと思ったけど。だから、トランペットのB管で吹きやすいと思ったんだけど(私も荒川の土手でオクターブ下げた「超汚い」音で吹いてきた。へえ、低い音域でドレミファソラシドを吹けるようになったんだす)。で、確認(対象はエピソードⅣ)。分かった。「a long time ago,in a galaxy far,far away」のテロップの後、チャーーン、チャチャチャーンで始まる冒頭は変ロ長調。で、チャンチャチャンチャチャンチャチャチャチャ(おもちゃのチャチャチャではない)で始まるエンディングの方が違う調だったんだ。そのエンディング、「ドーソー」のテーマがいろんな調で出てくる。最初は変ニ長調、次にハ長調、途中レイアのテーマをはさんで最後はト長調。ここでテーマを吹くのはホルン。ところどころで、合いの手的に「ソソーーミ、ソソーーミ」と出てくるのは変ロ長調(だから実音はファファーーレ)。これを吹くのは変ロ長調待ってましたのトランペット。いやホントによくできてること。

「だす」は京都では「どす」でウィーンみたい。

2015-10-20 09:59:41 | 言葉
朝ドラのあさがきたのあさ(あさ×3)は京都では「……どす」と言ってたのが大阪に言ってからは「……だす」になった。大阪の「あ」は京都では「お」?そういえば、ドイツ語の「あ」はウィーンでは「お」になる。バラの騎士の第2幕の幕尻でオックスが歌う「keine Nacht dir zu lang」((私といれば)長すぎる夜はない)は、普通は「カイネ・ナハトゥ・ディル・ツゥ・ラーーーング」だが、ウィーンぽく歌うと「カイネ・ノホトゥ・ディル・ツゥ・ローーーング」となる。以前、ドイツ語学校でドイツ人の先生とクラスみんなで話していて、京都の人とウィーン子は似てる、という話になった。で、先生が「同僚で京都が好きな人がいる」と言い、「あっ、その人もウィーン子だった」というオチでおひらきとなった。「だす」「どす」の話に戻る。あれ?風大左衛門も「……だす」と言ってたぞ。大左右衛門は東北出身だったよなぁ。東北でも「だす」って言うのけ?「いなかっぺ大将」は新連載当時から読んでた(私は小学生)。始めの頃は、笑いもあるが柔道を極めようとするまじめなシーンもあった。が、アニメになった頃にはお笑い(お色気)一辺倒になり、ちょっと寂しかった。主題歌を歌ってたのは「吉田よしみ」(後の天童よしみ)。