拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

初床

2015-10-16 12:24:23 | 日記
「あさが来た」はなかなか艶っぽいドラマだ。新次郎とあさの夫婦がいつまでセックスレスかと心配したが(余計なお世話)、今朝ようやく夫婦の契りを結んだ。そこにいくまでの展開の粋なこと。寝所の前の廊下で「その口にはわてがフタしたらなあかんな」と言って顔を寄せる新次郎。その最中だって(口元は見えない)まん丸お目々を開きっぱなしのあさ。で「今のなんだす?」(これにひきかえ前作のキスシーンの安っぽかったこと。まれは目を閉じるわ、ぶちゅーを写すわ)。そんなあさをお姫様だっこして布団に運びふすまを閉める新次郎。映画のよう。翌朝、あさは若干恥ずかしげ。それでも、信頼していた源氏の君にある日突然いたされた紫の上のように怒ってはない。そんな子供じゃなかった。朝ドラの初夜シーンで覚えてるのは「はっさい先生」。渡辺徹演じる新郎がえいっとばかり新婦(はっさい先生)の布団を自分とこに引き寄せたっけ。今回のブログのタイトル、当初「初夜」にしようと思ったのだが、初夜って結婚して最初の夜(するしないにかかわらず)を言うのか、最初に交わった夜を言うのか分からなかった。「初床」だったら絶対後者でしょ。

フレーニの思い出

2015-10-16 10:48:14 | 音楽
佐保姐さんとフレーニの話をして、懐かしくなったので、今回はフレーニ・ネタ。フレーニの録音を初めて聴いたのは、多分、ボエームか蝶々夫人のレコード。恐ろしく美声だと思った。それから、ベーム指揮のフィガロの結婚の映像をNHKが放送して、そこではスザンナをフレーニが歌ってて、可愛いスザンナだなぁ、と思った。因みにこの映像では伯爵夫人をキリ・テ・カナワが歌ってて、このときは「いいな」と思った。その後、テ・カナワには、私の心中で「?」がついたのだが、フレーニは「いいな」のままで、いよいよ生で聴く機会到来。シノーポリが振ったマノン・レスコーだった。素晴らしかった。この頃、かつてのレッジェーロからかなりスピントになってて、その強い声で終幕「Tutto e finito」(全てが終わった)と泣き叫ぶ様には震えがきた。で、次に生で聴いたのが、クライバー(!)が振ったボエーム(ロドルフォはドヴォルスキー)。フレーニの声はさらに重くなってて、で、大きな声では言えないんだけど、第1幕の最後の高音がぶら下がってしまい、これが我々ファンには喉の奥に刺さった魚の骨のようだったのだが、しかし、そんなことを吹き飛ばしたのは第3幕。これは圧巻だった。クライバーのあおりたてる指揮の下、渾身の歌だった。因みに、その後の私、フレーニが最高だと思ってたミミはコトルバスもかなりお気に入り。スザンナは、これはもうルチア・ポップ!