拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

運河

2021-02-10 10:42:40 | 言葉
まずは曲当てクイズ。三拍子で「ソファミ、ド、|ラソラ。|シラソ、レ、|ドシド……答えは末尾に。その「チコちゃん」(「その」って何だ?)で見るオカムラさんはご結婚後お幸せそうである。ねーねー、オカムラー、結婚ってそんなにいいものなの?お前(私)だって昔してただろって、もう別れてから25年経つから忘れてしもうた(私の最後の「Famlienstand」は「離婚」だから、ドイツで住民登録する際、聞かれるのは離婚年月日である。だからこれはしっかり覚えている)。昨日、DUETしたいと書いたら複数の麗しき方々から「してもいい」というコメントをいただき表面上はモテモテであるが、25年も一人のままという厳然たる事実が昨夜の空騒ぎが砂上の楼閣はたまた蜃気楼であったことを物語る(だいたい、騒々しいところに真実はない。真実は沈黙の中に潜んでいる)。そう、25年の歳月は私を巌窟王にした(「巌窟王」をよく知らないで書いている。書き終わったらググろう)。巌窟王は悲しんだ(オオサンショウウオか?)。このところ、何十年も録画してまで見ていた「新婚さんいらっしゃい」ですら、新婚夫婦ののろけに我慢ができなくてとうとう視聴をやめてしまった。そんなワタクシでも、オカムラさんが幸せそうなのを見ると心が和むのはなんだろー。そのチコちゃんで、しかし、最近、腑に落ちない話があった。お題は「火星人はなぜタコなのか?」で、その答えは「誤訳」。火星を望遠鏡で観察していたイタリア人が火星の表面に見える縞々を「canali」(ただの溝)と書いたら、それをフランス人が「canal」(人工的な運河)に誤訳して、あれが巨大な運河ならそれを作れる高等生物がいるはず、頭が大きいはず、ってことでタコになったんだという。しかし、「イタリア語の「canali」は自然の溝で、フランス語の「canal」は人工の運河である。だから「canali」を「canal」と訳したのは誤訳である」という解説は多いに疑問である。どう見ても、この二つの語源は同じである。フランス語の「canal」が「運河」ならイタリア語の「canali(e)」にも「運河」の意味があるのではないか。辞書を見た。思った通り、「canale(複数形はcanali)」には「運河」の意味がある。つうか、辞書の最初にくるのが「運河」であり、自然の「溝」は後ろの方である。だから、誤訳ということではなく、翻訳の過程で意味が変わっていったということではないか。なお、語源が同じでも現在は違う意味になっているものもたしかにある。例えば「Gift」。英語では「贈り物」だがドイツ語では「毒」である。さて冒頭の曲当てクイズの答合わせをしよう。正解は、チコちゃんのシンキング・タイムに流れるBGMである。