7月5日
「白鯨」読んでいます。読めば読むほどいい訳。なんといっても「海洋冒険小説」という外枠を踏み外さず、哲学的な叙述もあくまでその一部として訳してある、語り口の統一感がすばらしい。これはかなりすごい技だと思います。国書刊行会のメルヴィル全集は坂下昇個人全訳で、もちろん大した仕事なのですが、この方の訳文は「白鯨」を含め、ちょっと難しくなりがちです(「タイピー」(福武文庫)は坂下訳で読みましたが)。以前挑戦して挫折した難物「ピエール」も私が知る限り坂下訳しかないのですが、誰か新訳文庫とかでもう少しわかりやすく訳してくれないものか。中短編は原光訳で読み、満足しているので、どなたかぜひ「ピエール」をさほど苦労なく読めるようにしていただきたい。――そんなことを考えながらモビーディックを追っています。
「白鯨」読んでいます。読めば読むほどいい訳。なんといっても「海洋冒険小説」という外枠を踏み外さず、哲学的な叙述もあくまでその一部として訳してある、語り口の統一感がすばらしい。これはかなりすごい技だと思います。国書刊行会のメルヴィル全集は坂下昇個人全訳で、もちろん大した仕事なのですが、この方の訳文は「白鯨」を含め、ちょっと難しくなりがちです(「タイピー」(福武文庫)は坂下訳で読みましたが)。以前挑戦して挫折した難物「ピエール」も私が知る限り坂下訳しかないのですが、誰か新訳文庫とかでもう少しわかりやすく訳してくれないものか。中短編は原光訳で読み、満足しているので、どなたかぜひ「ピエール」をさほど苦労なく読めるようにしていただきたい。――そんなことを考えながらモビーディックを追っています。
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