3月15日
新潮文庫の新刊「三島由紀夫を巡る旅」(徳岡孝夫、ドナルド・キーン)を読みました。すごくよかったです。三島論を何十冊読むよりも、この本1冊を読むほうがはるかに有意義だと思います。徳岡さんの名前は、キーンさんの「日本文学史」の翻訳者として知っていましたが、こんなにすぐれた書き手だったとは。平岡公威少年が、学習院の学友である少女の父親=志賀直哉に自分の創作を読んでもらおうと熱心にはたらきかけていた、なんて今回初めて知りました。でも大事なのはそんな表面的な事実のおもしろさではなく、「矛盾の人・三島由紀夫」を、キーンさんのコメントを多く援護射撃としながら徹底的に分析していく、その平明で深い思考の進め方にあります。きっとずっと残っていく本だと思います。
新潮文庫の新刊「三島由紀夫を巡る旅」(徳岡孝夫、ドナルド・キーン)を読みました。すごくよかったです。三島論を何十冊読むよりも、この本1冊を読むほうがはるかに有意義だと思います。徳岡さんの名前は、キーンさんの「日本文学史」の翻訳者として知っていましたが、こんなにすぐれた書き手だったとは。平岡公威少年が、学習院の学友である少女の父親=志賀直哉に自分の創作を読んでもらおうと熱心にはたらきかけていた、なんて今回初めて知りました。でも大事なのはそんな表面的な事実のおもしろさではなく、「矛盾の人・三島由紀夫」を、キーンさんのコメントを多く援護射撃としながら徹底的に分析していく、その平明で深い思考の進め方にあります。きっとずっと残っていく本だと思います。
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