麻里布栄の生活と意見

小説『風景をまきとる人』の作者・麻里布栄の生活と意見、加えて短編小説。

生活と意見 (第827回)

2023-10-01 08:30:07 | Weblog
10月1日

小さいころから怪異的なものが好きで、楳図かずお、ハーン、水木しげる、手塚治虫のどろろ・バンパイヤ、クリストファー・リー、ポー、世にも怪奇な物語、雨月物語、四谷怪談、初期の仮面ライダー、デビルマン、泉鏡花、内田百閒、聊斎志異、唐代伝奇、ボルヘス怪奇譚集、ビアス、サキ、レ・ファニュ、ゴーチェ、ホフマン、創元推理文庫の怪奇小説集などなど偏愛してきました。そういう自分が、あまり好きになれなかったのがラヴクラフトです。いまでは新潮文庫に三冊も翻訳書が入っていて大メジャー作家になりましたが、私が大学に入って東京に来たころは、まだ創元推理で二冊、傑作集(いまではそれが拡大されて文庫全集になっています)が出ていただけで、知る人ぞ知るという感じでした。なぜ最初手に取ったのかといえば、私はダンセイニがものすごく好きなのですが、ラヴクラフトもダンセイニの熱狂的なファンだということを知ったからです(ダンセイニがアメリカに講演にきたとき、ラヴクラフトは聞きに行ったそうです)。ところが読んでみると、およそダンセイニとは似ても似つかない作品で、なまざかなのにおいがプンプンしました(ご存知のように私は魚介類が嫌いで食べません)。その印象は消えがたく、いまだにちゃんと読めていません。この絵は「インスマウス」というタイトルを後付けしてみたのですが、なんとなく私の、ラヴクラフト作品に触れた感想という感じがしたからです。でも、そのうち、新潮文庫を読んでみたいと思います。

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