1月30日
万葉集はとてもゆっくりのペース。サリンジャーの初期作品を読んでいます。本当にすばらしい。そんなことを書いても意味はないけど、やはり、前にどこかで書いたように、サリンジャーの作品は「カラマーゾフ」の「少年たち」のクラソートキンの話をいつも思い出させます。ものすごい作家なのに、生涯4冊しか公刊しなかったこと、自分が行き詰っていく過程を正直に書き残したこと、どちらも偉大だと思います。なによりもいいと思うのは、初期の習作ですら作品のための作品にはなっていないこと。つまり文芸ではなく、文学であるところです。本当に必要な時だけ筆をとる、という姿勢はショーペンハウアーにも近いと思います。また、モンゴロイドから見れば風貌も似ているカミュにも近いでしょう。しかし、ずっとイエスだけを書き続け、「反抗的人間」にその結論を見たカミュと違い、サリンジャーはつねにイエスとマリアを自分の中に持とうとした。いったい男にそんなことができるのかどうか……。私のような無意味な人間が語ることではありません。――「ウエストのぜんぜんない1941年の若い女」は、公刊されたどの作品とも違い、官能的でとても新鮮に感じられました。
万葉集はとてもゆっくりのペース。サリンジャーの初期作品を読んでいます。本当にすばらしい。そんなことを書いても意味はないけど、やはり、前にどこかで書いたように、サリンジャーの作品は「カラマーゾフ」の「少年たち」のクラソートキンの話をいつも思い出させます。ものすごい作家なのに、生涯4冊しか公刊しなかったこと、自分が行き詰っていく過程を正直に書き残したこと、どちらも偉大だと思います。なによりもいいと思うのは、初期の習作ですら作品のための作品にはなっていないこと。つまり文芸ではなく、文学であるところです。本当に必要な時だけ筆をとる、という姿勢はショーペンハウアーにも近いと思います。また、モンゴロイドから見れば風貌も似ているカミュにも近いでしょう。しかし、ずっとイエスだけを書き続け、「反抗的人間」にその結論を見たカミュと違い、サリンジャーはつねにイエスとマリアを自分の中に持とうとした。いったい男にそんなことができるのかどうか……。私のような無意味な人間が語ることではありません。――「ウエストのぜんぜんない1941年の若い女」は、公刊されたどの作品とも違い、官能的でとても新鮮に感じられました。
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