鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

首相は誰も経験したことのない緊張と風圧の重職である

2010-01-25 | Weblog
 24日TBSテレビの「時事放談」を見ていていたら、パネラーの加藤紘一自民党元幹事長と寺島実郎三井物産戦略研究所会長が焦点の小沢一郎民主党幹事長の一連の検察とのやりとりを酷評していた。加藤議員はかつて自らの秘書が逮捕された際に鳩山由紀夫首相(当時党幹事長)から進退を厳しく追及されたことがあるせいか、舌鋒鋭く民主党の自浄能力のなさを指摘していた。寺島会長も政権交代の意義が薄れることを憂える旨の発言をし、改めて民主党の存立基盤が崩壊しつつあることを再認識させられた。
 ここでも鳩山首相の小沢幹事長の3人の秘書が逮捕された際の「戦って下さい」との発言が問題視された。検察をも監督する立場にある首相の発言としてはいかにも不穏当な発言である、というもので、翌日には訂正発言したものの一旦発言した言葉は歴史的な意味を持ってくるので、こうした番組などでは何回も取り上げられることになる。
 あまつさえ、その舌の根の乾かないうちに、今度は記者とのやりとりの中で、当の逮捕された元秘書の石川知裕衆院議員が「起訴されないように望む」と発言してしまった。直ちに同じように首相としての見識を問われる発言として問題視され、翌日撤回したものの、歴史的発言としてテークノートされることとなってしまった。
 思うに一国の首相たるもの、四六時中、新聞テレビなどマスコミの目にさらされ、一旦外に出ればその一挙手一投足が注目される。常に会う相手は諸外国のトップや国内のVIPばかりで、一時たりとも気のい抜けない人ばかりである。しかもその及ぼす影響は米国の大統領がいつも核弾頭の発射装置を手近なところに置いていることに象徴されるように一国の運命を決することは言うまでもない。
 会社の社長も同じような立場にあるともいえるが、首相とは比べ物にならないだろう。発言や行動が万金の重みを持っているのはいうまでもない。もちろん、内閣官房にはそのためのスタッフが複数いて、対応しているが、記者会見の際の質疑応答のようなとっさのやり取りの細部にまでは及ばないことだろう。その場では生まれてから歩んできた素養なり、見識で判断して対応していくしかないが、どこからどんな玉が飛んでくるのかは予測はつかないし、とても想定問答では応じきれないことだろう。
 となると、首相本人がとっさの質問なり、その場の雰囲気から察して答えざるを得なくなってくる。スーパーコンピュータでも処理できないような高度な連立多次元方程式を瞬時に解いて、適切な言葉を選んで発言しなければならないようだ。日本のように高学歴で見識のある人が多い国は世界のどこにもないだろうし、インターネット時代を迎えたせいか、政治の現場と人々との距離がぐっと近くなっているせいか、政治家、なかでも首相の発言の重みが従来にないほどに重くなってきたようだ。
 たぶん、小泉純一郎元首相が毎日ぶら下がり会見を行うようになってきた頃からその距離は狭まったようんば気がする。小泉首相は意図してか、単語発言で煙に巻くような手法でなんとか5年間乗り切ったが、その後の安倍、福田、麻生といずれも首相の重みに耐えかねて1年も持たずに沈没した。だれも経験したことのない緊張と風圧の重職に沈没してしまったわけで、注目の小沢幹事長でも不向きなことは同じだろう。
 鳩山首相が育ちのいい嘘のつけない人柄のいい人であることは伝わってくるのだが、どうやら国家の危機状態の時には対応できる人ではないような感じはわかってきた。ここは党内を見渡して、首相の重職に耐えうる人を選抜して、早い機会にバトンタッチすべき時なのかもしれない。
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