鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

歌うようにマリンバを演奏した打楽器奏者、池上英樹に魅了された

2010-01-10 | Weblog
 9日は東京・三軒茶屋の昭和女子大学・人見記念講堂で行われた「題名のない音楽会」の番組公開収録に行った。司会の佐渡裕の都合で集中的に行われている年始第2段で、大勢の観客が詰めかけた。前半、後半とも通常ならお目にかけることのできないミュージシャンをゲストに招いての半分お遊びを交えた音楽会で、特に後半の打楽器奏者、池上英樹のマリンバの繊細な演奏には魅了された。
 前半は「バレンタイン作曲大会」と題してバンドネオン奏者の小松亮太、ギターデュオのコンチチ、ピアニストの羽毛田丈史の3グループによるバレンタイン関係の作曲大会で、季節柄、雪、テーマパーク、動物園・水族館の3つの題のもとに即席で作曲を行った。雪はともかく鮫とか、サザエをテーマに奇抜な作曲が披露されたのには驚いた。ピアニストの羽毛田丈史の演奏が終わったところで、司会の佐渡裕がすかさず「羽毛田さんは宮内庁の羽毛田さんの親戚じゃないですよね」と聞いていたのは面白かった。仮にそうでも視聴者の関心をすかさず聞くところはなかなかのセンズだ、と思わせた。
 後半の冒頭、ゲスト解説者のヴァイオリニストの高島ちさ子がわが子が音楽に興味を示さないのを嘆いたところ、佐渡裕がすかさず「それなら、今日はうってうけのアイデアがあります。世界的に一流の音楽家の演奏を聴かせることです」と言って、パーカッショニストの池上英樹がシェフスタイルで登場し、舞台の上に作られた調理台の前に立ち、まず両手に包丁を持ち、まな板の上で野菜をい刻みながら、音楽を奏で、次いで鍋の中に具や調味料を入れながら、鍋やワインの瓶を叩き、そして後ろに吊り下がっているフライパンなどを叩きながら、最後にレンジで焼いたハンバーグを取り出す、といったパーフォーマンスを繰り広げ、会場の喝采を浴びていた。
 驚きはそれだけではなかった。次いで、会場から4人の奏者を引っ張り上げ、舞台の上に立つ全員で「茶色の小瓶」を演奏した。さらにはお得意のマリンバでちあきなおみの「黄昏のビギン」を演奏したが、これがマリンバか、と思えるような柔らかい音色の演奏で、演奏する前にオペラの先生に歌を習い、楽器も歌うように演奏することを学んだ、と語ったが、その通りの演奏だった。その後、アコーディオンの御喜美江と共に「リベルタンゴ」と「アトム・ハーツ・クラブ・デュオ」を演奏したが、始める前にマリンバの両脇のネジを自ら回して調整して、もともとのマリンバ特有の硬い音色を出していた。マリンバの両脇のネジを回すことで、音色を調整できるとは初めて知った。
 パッカッショニストの池上英樹の名前を聞いたことも初めてなら、演奏を聴いたことも初めてで、マリンバがこんなに魅惑的な音色を出す楽器であるとは知らなかった。登場の最初が衝撃的だったが、その後の演奏も素晴らしかった。一般には知られていないこうしたミュージシャンを知らせてくれるのは「題名のない音楽会」なればこそで、宝物を得たような気分にさせてくれる。しかも、普通のコンサートでは行わないこの日の後半冒頭のキッチンでの音楽会など一味違ったパーフォーマンスを行ってくれる貴重な番組でもある。スポンサーの出光興産に感謝、感謝である。
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