鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

中国四川省で災害復興支援ボランティアに取り組んでいる日本人がいるのを知って驚いた

2010-01-26 | Weblog
 先日NHKテレビの「クローズアップ現代」を見ていたら、阪神淡路大震災で活躍したNPO法人のボランティアが世界各国で支援活動にあたっていることを放送していた。阪神淡路大震災以後、インド洋沖や中国四川省などで大規模な地震が起きており、こうした災害のあった地域へNPO法人のボランティアが日本から派遣され、活躍していることをエピソード風に綴り、実際に四川省でいまも復興にあたっている姿を報じていた。そんな日本人がいることに驚くとともになぜ国などでなくNPO法人なのか疑問に思った。
 死者6434人を出し、今年で15年を迎えた阪神淡路大震災の1月17日には午前5時46分52秒を期して慰霊祭が行われ、一人暮らしの老人世帯での被害者が毎年30人くらい出るなどいまだに後遺症は残っている。その阪神淡路大震災が残したものは災害支援のボランティア活動で、同じように世界各国で起きている大地震の復興支援に取り組んでいる、という。阪神淡路大震災の時に足湯に浸かる支援活動をしたことが被災者に喜ばれ、虐げられた被災者の胸襟を開くのに役立ったなどのノウハウを海外での支援活動に生かすことで、実際にボランティアを派遣している、という。
 番組ではい08年5月12日に起きた中国四川省大地震の復興支援にあたっている30代の日本人男性の活動ぶりを追い、食べるものの確保さえ覚束ない現地の罹災者の家を回って、何か支援できることはないか、と活動している姿を追った。そして、打ちしがれている人々の気持ちを引き立てるために村祭りを行うことを企画し、子供たちを集めて民族舞踊の練習に取り組み、最初はそんなことができるのか、と冷やかに見ていた村民も賛同して楽しい村祭りを実現してしまった。
 件の男性は阪神淡路大震災の時に九州からボランティアにかけつけたことがきっかけとなって、ボランティア活動に身を投じるようになった、という。もちろん、中国語もマスターしたうえで、誰も知り合いのいない見知らぬ土地でたった一人で復興支援活動に取り組んでいる姿に感動した。13億人もの人口があり、いまや世界第2の経済大国になろう、という中国政府はじめ公共の自治体などは一体何をしているのか、と思うプロジェクトでもある。
 番組ではたぶん神戸にあるであろうこのNPO法人の事務所内を映し、数百円単位で募金が集まってくる、と解説していたが、実際にこのNPO法人の運営がどうなっているのか、には触れずじまいだった。1年半以上も中国にボランティアを派遣する費用だけでも半端な金額ではないし、会報誌を発行するだけでは組織の運営も成り立たないであろうことは容易に想像できた。
 放映されたのは丁度、阪神淡路大震災記念日の直前で、たまたまハイチで大地震が起きて支援をどう進めるのか注目されていた時だったので、急遽放送を決めたような感じで、こうした復興支援の際に公的なものと民間の支援がどう組み合わされるべきか、という視点が欠けている感じを受けた。
 それにしても世の中にはつくづく頭の下がる人がいるものだ、との思いを深くした。
コメント
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