鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

天下の朝日新聞が財界から敬遠され、病んでいる

2008-11-07 | Weblog
 天下の朝日新聞が病んでいる。編集上の紙面ではなく、経営面を支える広告の状況が極めて悪化しているからで、患者になぞらえていえば、身体のあちことで虚血状態になっており、長引けば心肺停止状態にもなりかねない状態に追い込まれている。新聞に広告が集まらなくなっているのは朝日新聞に限らない話ではあるが、読売新聞や日本経済新聞に比べると明らかに企業広告が減っており、企業から朝日新聞が敬遠されているふしがうかがえる。
 この一週間の朝日新聞の広告をみると、広告のバロメーターでもある全面広告の数が減っているだけでなく、広告そのものの内容に偏りが見られる。たとえば、11月3日の新聞には時計のROLEXが2面にわたって時計を全面に描いた広告を出しているほかは、家具の大正堂、ソニー損保、それに阪急交通社の旅の広告と32ページのうちわずかに5ページしかない。そのうちカラー広告はROLEXの2ページだけで、このROLEXの2面広告は翌4日も翌々日の5日にも連続して出ている。
 翌4日はアリコ保険、東芝、JTB、ブルックスコーヒー、NHKの通信講座と40ページのうち7ページが、翌々日の5日は明治安田生命保険の小田和正のコンサートの2面広告、テーラーメードゴルフ、デル、銀座閣文館、それにROLEXの2面で40ページのうち7ページがそれぞれ全面広告となっていた。
 広告主がいずれも消費財で、いわゆるサービス業ばかりで、日本の産業を支えている企業の広告がほとんど見当たらない。さrにROLEXの状況から言ってどう見ても正規の広告料金をもらっているとは思えない広告主ばかりである。業界用語でいういかにも「カロリーが少ない」。
 たまたま、三連休のあった週であることから異常かとも思われたが、5日になっても状況は同じである。
 新聞社の経営の太宗は購読料からの販売収入と広告収入で成り立っている。この広告収入が減れば、当然利益が減ってくる。ある限界以上に減れば、欠損が発生することになりかねない。
 実際に朝日新聞の経営状態がどうなっているか、詳細はわからないが、すでに子会社に本社の株式を高く売り付けて、事業資金を捻出している、との噂も聞く。欠損が出る前に予防的に資金繰りをしているのだろうが、いまの広告情勢が続けばいずれ欠損の出る状況に追い込まれるのは必至だろう。
 通常なら発行部数1000万部の読売新聞と同800万部朝日新聞の新聞広告にそんなに差があるとは思えない。インテリに強いといわれる朝日新聞の広告価値はそれなりにある、と思えるのだが、これまで朝日新聞が採ってきた編集上の姿勢が財界から敬遠されているのだろう。
 それと朝日新聞の経営陣にはお金儲けに走るのは好ましくない、という姿勢がるのも事実で、そうした姿勢がある限り広告が以前よように戻ってくることはありえないだろう。よく天下の朝日新聞といわれるが、この「天下の」という冠詞をつけてもの申す時代錯誤な姿勢がある限り、敬遠され続けることだろう。

追記 8日付けの新聞を見たら、朝日新聞の顔ともいえる筑紫哲也氏が7日午後、肺ガンで亡くなった、と出ていたので驚いた。朝日新聞の病が意外なところに飛び火したようだ。OBとして会社の行く末を案じてでもいたのだろうか。直接の死因はガンであるのは間違いないが、朝日新聞社の経営苦が多少は影響していたのかもしれない。
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