鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

拉致家族からも見放された安倍首相

2007-03-02 | Weblog
 1日発売の週間新潮3月8日号のトップ記事の北朝鮮拉致家族が安倍首相に「もう政治利用をやめて」との記事が掲載された。安倍首相は北朝鮮の拉致家族問題の交渉で一挙にスターダムにのし上がり、首相にまで登りつめた政治家である。逆に言えば、拉致問題だけが安倍首相の功績といっていい。その拉致家族からもノーを突きつけられたわけで、拠って立つ基盤を切り崩された、といってもいい。安倍首相の言行は相変わらずのジャイロスコープのない迷走ぶりで、もう、参院選を前に退陣するしかないだろう。
 先週末の安倍首相の新潟訪問はいかにも唐突で、支持率低迷にあえぐ安倍首相の人気をなんとか盛り上げよう、とだれかが画策したのだろう。テレビに3年前の中越地震で被災者住宅に住む山古志村の住人と膝を交えて話し合う安倍首相の姿や、新潟のホテルに拉致から生還した曽我ひとみさんらと話しあう姿が映し出されたが、いかにも「これだけやっているんだぞ」と見せつけるミエミエのショーであった。
 特に曽我ひとみさんらとの会談は安倍首相がぎこちなく「今日は日頃思っている政府への要望をお聞かせ下さい」と切り出すところや、それに”いまさら何だ”という面持ちで蓮池夫妻、地村夫妻が答えているのが余すところなく映しだされていた。普通、この種の会談は逐一、詳細は報道されない。休日で他にニュースがなかったのか、捏造問題のお詫びもあってか、テレビ各局はここぞとばかりにゴマを擂っている感じとも受け取れた。
 とにかく異様な”やらせ”ニュースであった。安倍首相にしても国会開会中で暇なわけではないし、近々、シンガポールだかで北朝鮮との2カ国交渉が始めるなかでの精いっぱいのパーフォーマンスであった。こんな見え透いた所作で支持率が上がるなんて思っている輩が首相官邸にいるのだろう。国民も随分、馬鹿にされたものである。
 そんな見え透いた芝居を打っている暇があったのなら、2カ国間協議に臨む案の作成やら、金正日との会談を画策するなどやることはいくらでもありそうなものなのに、首相官邸にはそうしたブレーン活動のできる人は1人もいない、ということなのだろう。本当に悲しいことである。弱将の下には弱卒しかいない、とは昔からよく言われることではあるが‥‥。
 そういえば、大分県の郵政造反で落選した衛藤せい一議員の復党問題は肝心の自民党内部からも批判続出で、安倍内閣の屋台骨を揺さぶっている。「安倍首相と考えを同じくする人は同志である」と誠に変な理屈を持ち出して、復党を正当付けようとしているには理解し難い。こんなお粗末なことを繰り返している自民党は普通なら崩壊してもいいのだが、どっこい、政権の受け皿となるべきはずの民主党も同じような不始末を繰り返しており、国民は呆れ返って、政党離れ現象を起こしている。既成の政党にもう頼れない、いわゆる無党派現象である。
 国民の怒りのもって行き場のない時は異常気象になる、とでも理解すればいい、いうことなのだろうか。
 
 
コメント (11)
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