鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

粋な計らい、長崎県北陽台高校

2007-03-03 | Weblog
 NHKのニュースでやっていたが、長崎県の北陽台高校の卒業式に思わぬ客が登場し、卒業生の門出を祝った。歌手のGacktが黒ずくめの衣装にサングラスで現れ、「夢はかなうものだ。頑張れ!」とエールを送り、お得意の歌を披露した。これには卒業生のみならず、在校生も大喜びで、卒業式が一大イベントとなり、卒業生にとって一生忘れられない思い出となった。GacktがNHKの「みんなの歌」を歌っていて、そのバックの画面に北陽台高校の生徒の活動のあれこれが流されていて、Gacktが一度訪問したい、といって実現した、という。高校の卒業式では従来、君が代を歌う、もしくはその時に起立して歌わない、とかイデオロギー的なニュースばかり流れていたのに今回は生徒が喜びそうな企画で、関係者の思いが1つになった久し振りにスカッとする出来事であった。
 鈍想愚感子は若い人の音楽に疎くて、Gacktなる歌手がいるのは知っていても、どんな歌を歌っているのか、どのくらい人気があるのか、全然知らなかった。そこで、Googleで検索してみると、本名神威楽斗(かむいがくと)で名前を芸名にし、沖縄で、公称1540年7月4日に生まれた、というから人を食っている。この2月7日に「野に咲く花のように」を発売し、それがNHKの「みんなの歌」でオンエアーされた、という。
 Gacktが卒業式に訪れるにあたってはNHK、マネージャー、レコード会社、それに、北陽台高校の校長はじめ教師が「うん」と言ったから実現したのであろうが、なかには「そんなことだめだ」と反対した人もいたことだろう。NHKテレビでGacktの歌のバックに高校生活のあれこれが映り、全国にオンエアーされていることは北陽台高校の関係者は知っていたので、話はすんなりまとまったかも知れない。それにしても日頃は頭のお固い教育委員会のなかには頑なに突っぱねる向きもあったことだろう。学校側ではもちろん、県なり、市の教育委員会の事前の了解を得なければならず、説得に相当エネルギーを要したことだろう。
 そして、了解が取れたあとは生徒に隠密に事を運び、驚かしてやろう、ということにも神経を使ったことだろう。テレビの画面を見ている限り、生徒が本当にびっくりした様が映っていたので、おそらく事前には知らせていなかったことだろう。
 昨日、民放のテレビを見ていたら、音楽グループのEXILEもどこかの高校の卒業式を訪れたことを伝えていた。Gacktのようなドラマがあったのかはよくわからないが、学校側が従来のお仕着せの卒業式ではなく、生徒の思い出に残るようなものにしたい、という教育者らしい思いが伝わる動きがようやく出てきた、ともいえるだろう。
 それにしても歌、音楽の力というものは凄い。ただ、こういう場合、場にふさわしいのはやはりニューミュージックということになり、演歌では雰囲気をこわしてしまう。太陽が燦燦と輝く日中に演歌というわけにはいかない。演歌がすたるわけでもある。
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