鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

うわずっている安倍首相

2007-03-27 | Weblog
 27日午後、NHKの高校野球中継を見ていたら、突如画面が切り替わって、安倍首相が登場し、記者会見場の演台の前に進み、90度の角度で直立不動の姿勢をとった。どうやら、平成19年度予算成立を受けての記者会見のようで、無言で立っているのは不気味だな、と思っていたら、カメラがパンして舞台左手に居並ぶカメラマンの一団を映し、写真撮影である、とわかった。
 で、記者会見に入り、冒頭、安倍首相から「能登半島地震への被災者へのお見舞い」の言葉があった。そして、「桜の花の咲く前に19年度予算が成立して良かった」となんとロマンのかけらもない所信表明があり、記者団から質問を受けた。
 記者から「参院選の獲得目標議席数と仮に目標に達しなかった場合、退陣するのか」との質問に、「参院選の前に統一地方選があり、これに全力を注ぐ」と質問には答えない、はぐらかす答えぶり。その後の「閣僚の不適切発言が相次いでいるが、内閣改造の考えはないのか」との問いに対しても「ありません」と木で鼻をくくった答えをするのみ。
 最初から心ここにあらず、といった感じの無味乾燥な話しぶりで、質問に答える際にも視線は宙をさまよっている感じで、いかにも自信がなさそう。就任早々時はまだ、視線は定まっていたと思うのだが‥‥。立花隆が指摘しているので、思わず、時にアップで写る安倍首相の首筋あたりの映像を見ると、確かに皺がよっている。それが老人性皮膚の退化なのかどうか、よくわからないが、そう思ってみるとそう見えるから不思議だ。
 それでも記者団の追求の手はゆるまない。日経の記者が「靖国神社参拝についての考えは」と聞くと、「なんども申し上げているように戦争で戦って命を無くされた方には尊崇の念は持っている」と答えた後、時間にして3,4秒、言葉が出てこない場面があった。一瞬、小渕首相の時と同じ脳硬化症か、と思ったが、その後元に戻った。それでも若干、舌がもつれるような感じは跡を引いた。自信のなさがいよいよ失語症となった感じでもある。
 ここで、まずいと思ったのか、司会が「最後の質問を受けます」と記者会見を打ち切る手に出たため、安倍首相のボロは出なくて済んだが、妙な感覚は残った。身体的なものなのか、予想以上の記者団の鋭い質問に精神的なダメージを受けたのか、わからないが、今後に尾を引きそうな奇妙な会見であった。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なぜ弱腰の厚生労働省

2007-03-27 | Weblog
 27日付けの毎日新聞によると、厚生労働省はインフルエンザ治療薬「タミフル」の服用を容認することを決めたが、ぐるぐる変わる厚生労働省の方針に疑問が沸き起こっている。タミフル服用後、患者がベランダから飛び降りるなど異常行動をとるケースが多発しているのにいまだに厚生労働省は使用禁止命令を下さない。20日に「10代への処方禁止」を打ち出したが、今度は使用を容認する、ときた。今後の方針を決める委員会の委員にメーカーから助成金をもらっていた研究者が入っているミスを犯すなどの迷走ぶりも犯している。厚生労働省がこんなことでは国民の命を一体誰が守ってくれる、というのか、といいたくなってくる。
 10代への処方禁止といった方針が出た時に、未成年には禁止でなくなぜ10代だけ除外という結論がどうして出てきたのか、疑問に思った。医学的にも肉体的にも10代だけに障害が出るなんて研究結果はまず引き出せない、と思う。副作用が強すぎるというのなら、10歳以下のが危険だろう。たまたま、12歳児の事故報告が相次いだので、10代を対象にしたという極めてファジイな方針だったのではないか、と思う。
 その後の調査結果をみてもタミフル服用後に年齢に関係なく異常行動が見られている。タミフルはスイス・ロシュ社の製造するインフルエンザ治療薬で、一般名はリン酸オセルタミビル。01年の発売以来、世界の服用者の約80%にあたる2450万人が日本人だ、という。厚生労働省のなかには研究機関がいっぱいあるのだろうから、タミフルの成分を分析して、人体にどう影響を及ぼすのか動物でも使って実証実験でもすればいい。発売に関してはそうしたデータが取り揃えられたうえで、許可とあんっているのだろうから、許可時のデータを公開することでも解明されるのではなかろうか。
 タミフル服用後の事故が報道される度に「どうしてタミフルを即、使用禁止にしないのか」と疑問に思ってきた。疑わしきは罰せずは裁判の原則だが、こと医療に関しては人命に関わることだけにそうはいかない。逆に疑わしきは使用許可せず、でいかないと大変なことになってしまう。
 しかし、厚生労働省の対応はおそる、おそるである。で、最後は使用容認となった。なぜ、そんなに弱腰なのだろうか。ひとつ考えられるのは発売元の中外製薬になんらかの借りがある、ということ。製薬メーカーと役所の癒着ぶりは松本清張の推理小説でもよく題材に取り上げられており、ここは民主党の馬渕澄夫議員に真相を暴いてもらいたいものだ。
 もうひとつ考えられるのは「女性は産む機械である」との問題発言で物議をかもした柳沢伯夫大臣が妙に遠慮していることだ。職務に全身を傾ける、と豪語して居座ったのだから、ここはバッサリと刀を振るってもらいたかったところだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする