鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

しのび寄るインフレの影

2007-03-01 | Weblog
 28日、今年初めて東京中央郵便局へ行って、「06年の記念切手集」を買おうと思ったら、窓口のどこにも案内がない。おかしいな、と思って、係員に聞くともう売り切れてしまった、という。そういえば、1月末に発売した南極観測50周年記念切手も売り切れとなっているし、いつも壁面に張り出してある過去の記念切手の多くに「完売」のシールが貼ってある。これまで年に数回、東京中央郵便局を訪れているが、こうしたことは絶えてなかったことで、明らかに異変といっていい。低金利で余った資金が記念切手の買占めにでも向かっているのだろうか。インフレは気がついた時にはもう手の施しようがないところまでになっていることがしばしばである。こんなところにインフレの前兆があるのかもしれない、と思った。
 例年、東京中央郵便局は年が明けると、前年に発行した記念切手集を発売し、いつもは年の半ばを過ぎても発売している。それと、以前は地下で販売していた過去の記念切手の販売コーナーを1階の記念切手売り場に移し、壁面に番号をつけて張り出し、販売するようになった。それが、デザインのきれいなものには「完売」のシールが貼ってあり、明らかに値上がりを見越した投機筋によるものとみられる。
 切手収集はもう50年近く前からしているが、最近は4月の「切手趣味週間」と11月の「国際文通週間」の記念切手だけを買うようにしており、あとは年間の記念切手集とたまにのぞいた時に面白そうな記念切手を買っていくことにしている程度である。東京中央郵便局をのぞくと、時々、在庫放出といって過去のを売り出すようなことがあり、貴重な切手を手にするようなことが過去にはあった。
 それでもずっと切手にスポットライトがあたるようなことはなく、切手収集は一部の愛好家の趣味の世界に留まっていた。毎年、日本郵趣協会なる団体から「日本切手カタログ」なるものが刊行され、価格が表示されるが、ほとんど変動がなかった。
 それが、ここへきて、大きく変わりそうな雰囲気となってきた。50年くらい前に切手ブームとなった時には確か、お菓子メーカーのグリコがキャラメルの景品に切手を付けたことが引き金になった、と記憶している。今回もちょっとしたきっかけで切手ブームに火が点くに違いない。もう、投機筋による買占めらしきものは始まっているからだ。
 そういえば、長らく低迷していた都心のオフィス賃料もぐんと上がり出した、という。坪3万円くらいだったのが、一挙に同5万5千円くらいに跳ね上がっている。有り余り始めたお金がいろいろなところに顔を出し始めたようで、これもちょっとしたきっかけで火が点くことになろう。
 村上ファンドで濡れ手で粟の大儲けをした福井俊彦日銀総裁の打つ手が遅れたばかりにインフレを止められなかった、なんてことにならぬように願いたいものだ。、
コメント
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