prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ノー・エスケープ 自由への国境」

2017年05月17日 | 映画
政治的なニュアンスがもっとあるかと思ったら、基本は広告に出ていた「ドント・ブリーズ」とか「激突!」みたいに徹底して即物的な追跡劇。

そして即物的であることに徹することで、トランプ政権誕生云々といったタイムスパンを超えて、もっと持てるもの持てざるものとの相克といった原点に接近している。

原題はDESIERT(砂漠)と、一神教の世界といったニュアンスがあり、ラストに出てくる汐の海のような不思議な光景が何か象徴的。
字幕で英語の方に「」がついて、アメリカの方が主人公たちから見れば他所であることを表しているのは工夫。

徹底した追跡劇を支えるロケーション効果、ディテールの積み重ねが見事。ヒロインが美人美人しておらず、日に焼けた労働者そのもの。主人公が初めから主人公として設定しているというよりちょっとした行いの端々で自然にその場の主役になっていく。

敵役がウイスキーばかり飲んでいて(酒気帯び運転なんてものではないね)水を飲んでいる気配がないのは、変ではあるけれどわかりやすいカリカチュアライズ。
(☆☆☆★★★)

ノー・エスケープ 自由への国境 公式ホームページ

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5月16日(火)のつぶやき

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