prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「アバター」

2010年02月20日 | 映画
前半の惑星パンドラの造形は、ラピュタのごとく浮かんだ島や、風の谷のナウシカやもののけ姫のような森の生き物たちとの共生などあまりに宮崎駿色が濃いのに驚くが、次々と現れる斬新な生態系の描写は技術的にも造形的にも圧倒されっぱなし。

人格がひとつで体が二つある、文字通り二つに引き裂かれたキャラクターがどう発展するのかと期待した。ナヴィ族と地球人、共生と開発、平和と戦争がどう対立してどんな決着がつくか。
ところがいったんナヴィ族が森を焼き払われたあと、女性海兵隊員が突然これといった理由なく味方についてしまい、さらに重火器で武装した海兵隊に弓矢で突撃するのだから、どんな策があるのかと思ったら何もない。それでもなんとなく勝ってしまうのだね。ハリウッドの法則が最後に出てきてしまうのはミヤザキとは違うところ。

そうなると主人公のジェイクは、アバターとしての体が死んでも地球人としては生きていられるのだから、二律背反そのものに甘いところがあるのが目についてくる。

ふだん裸眼で映画見るときだけメガネかけるもので、いきなり二重のメガネになるから落差が激しくて疲れた。ときどきならともかく、映画がぜんぶ3Dにでもなられたらかなわんな。

それとちょっと驚くのは、このナヴィの生態を描くあたりに「癒される」って意見が多いこと。CG製の森に、ですか? 「タイタニック」のロマンス描写に本気でうっとりしてたのが多かったり、今の世の中よくわからん。感動も大量生産・管理制なのだね。
(☆☆☆★★)


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