「鉄男」をアメリカ人を主人公にして海外向けを視野に入れた体制でリメークされても、自主映画的手作り感覚は変わらない。それは良くも悪くもであって、ハリウッド製リメークがしばしばハリウッド式世界標準にしすぎて型に嵌まってしまう罠は免れたにせよ、これまでやってきたのと同じことの繰り返しという感じは否めない。
塚本晋也監督は初期に「妖怪ハンター」を映画化しているのだし、どう考えても「鉄男」のモチーフで諸星大二郎の「生物都市」なのだから、思い切ってスケールアップして「生物都市」そのものを映画化するとか、そこまでいかなくても都市単位の変異を描いてもいいのではないかと勝手に思った。
(☆☆☆)