prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ヴィレッジ」

2023年06月19日 | 映画
ゴミ処理場建設に反対したため圧力をかけられたあげく家に火をつけ自殺した父親を持つ文字通り村八分の横浜流星(自身そのゴミ処理場で働いているというのがアイロニカル)が、村に帰ってきた黒木華と図体のでかい村人一ノ瀬ワタルとが三角関係になる。
能面をつけた村人たちが列をなして松明の灯りの中をねり歩く情景がおどろおどろしく、母屋に廊下がつなげられた実際の建物が能楽堂の構造になぞらえてある。
流星がきれいごとの環境問題の顔になる、上げておいて落とすという展開も皮肉。

ゴミ処理場の中に穴がぽかっと開いている情景がなんとなく星新一「おーい、でてこーい」の穴を思い出した。
古田新太の母親の背景の書も印象的。
テレビがブラウン管なもので、少し昔の設定なのかと思った。美術は部谷京子。