prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ザ・マザー 母という名の暗殺者」

2023年06月08日 | 映画
ジェニファー・ロペスの暗殺者がFBIに軟禁されていて、態度のでかいFBIがあっさり殺され、オマリ・ハードウィックも殺されかけ、ロペスの元上官ジョセフ・ファインズが妊娠中のロペスのお腹をナイフで刺すがなんとか無事女の子を出産するといった展開はてきぱきしているが、引き離された生まれた子供を守ろうとするあたりから展開にムリが出てくる。

ハバナのごみごみした裏道の追っかけで、バイクに乗ったロペスが自家用車にぶつけたあと文句を言いに出てきたドライバーをぶん殴るのに対して、制服の女学生たちには娘の面影を見たのかイライラしながら待つといった具合にずいぶん態度が違う。

ハードウィックが中途半端なところで殺されてしまう(一本道の俯瞰ショットでいきなり横道から車をぶつけてくるショック効果はいい)ところや、ロペスが思い入れたっぷりに娘と別れた後すぐバイクで追ってくるのにはあれれと思う。

前半と後半が分裂気味で、アラスカで母オオカミが子供を守ろうとするあたりは比喩が効いているが、十二歳の娘が生みの親を初めわからず生まれて間もない自分の写真を見て涙ぐむところはやや駆け足気味。
ろくに闘えもしないのに出しゃばってあっさり捕まるなどどうもはっきりしない。