時間が遡っていく構成というのが一見して年号とかを入れていないのでわかりやすくはなくて、初めコロナでマスクをしていたのがとれていったりタクシーの型が古いものになっていったりするのでわからせていく、というか気づくように作ってある。
このところの環境の激変の記録にもなっていて、こんなに生きているうちに環境は変わっていくんだという実感が出る。
誕生日を辿っていくのがバーナード・スレイド作の舞台劇「セイムタイム ネクストイヤー」の逆みたい。
まず関係が終わったところから遡ってくので、後半二人がいちゃいちゃしているのがうざくないというか後でどうなるかわかってしまっているので、ある種の無常観というと大袈裟だが、特に不幸になったというわけでもないのに否応なく変わってしまっているところですでに悲しい感じが重なる。
同じようでちょっと違う日々の習慣の繰り返しというのは、突飛な連想かもしれないがタルコフスキーの「サクリファイス」の初めの方で毎日同じことを繰り返していれば世界は変わる、変わらないわけがないという独白を逆方向から証明したみたい。
劇場でもらったポストカード。