時代劇に西部劇の和洋折衷どころか、巨大な時計に縄をかけて止めて時間を止めておくという寺山修司ばりの発想や、ギリシャ劇のコロス、マッドマックスからニューヨーク1997までぶちこんだカオス。
一人よがりといえば一人よがりを極めた特異なイメージ宇宙で、それをかなりのカネをかけて実現している。
鈴木清順の「カポネ大いに泣く」の究極のわがままもびっくり。
もっとも救出する女の声で縛りつけられた爆弾の制限時間を延長するという趣向で、肝心な時に声が出ないようになっていてなかなか解除できないという場面など基本的な結構に関わる部分までディテール過剰でボケているのは困る。
ニコラス·ケイジはまあ何というか、こういうのやる人他にいないだろうなあと思う。
敵側の用心棒なのだが無口で強くて漢気あるヤスジロー役のTak(坂口拓)がやたらと格好いい。
女優さんたちがどうもぱっとしない。