prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒」

2020年11月19日 | 映画
 エンドタイトルでメイキングがちらっと出るように、ストップモーション・アニメーションというか、オブジェクト・アニメというか、とにかく人形を一齣づつ動かす技法で作られているのだが、それがすこぶる高度で動きがぎくしゃくせず滑らかなのはいいのだけれど、あまりに滑らかすぎて通常の3DCGアニメとあまり見分けがつかない。
CGと組み合わせているせいもある。
あまりによくできていると逆に驚かなくなるというパラドックスが成立しそう。
本格的なメイキングが見てみたくなる。

主人公のキャラクターが声を演じるヒュー・ジャックマンの顔と役柄がパブリック・イメージ(ナイス・ガイ)と両方に寄せてあって、途中で降りることになったらどうしたのだろうと余計なことを考えた。

人間とビッグフットが友情を結ぶ話なのかと思ったら、早い段階で友だちになって、ビッグフット(ヒマラヤの雪男)の故郷で仲間がたくさんいるだろう雪山の奥、シャングリラへ向かうという前半「E.T.」後半「インディ・ジョーンズ」みたいな展開になる。

原題のミッシング・リンク=失われた環というのは人類の祖先と今のヒトとをつないでいたが今は失われた種族で、プロレスでそういうリングネームを名乗ったレスラーがいて要するに原始人よりもっと野蛮な見世物的な扱いだったが、今どきの映画ではそうはならない。

クライマックスで人間の悪役とは戦っても、原住民はどこかにいってしまって、最後にとってつけたように姿を現す、というのはPC的に原住民と戦う図というのは設定できないからか。