prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「星の子」

2020年10月31日 | 映画
両親役が永瀬正敏と原田知世というキャスティングは、いかにもな狂信者というイメージから離れる狙いだろうが、水を売っているのがどんな「教団」なのか漠然としていて、本部の建物などずいぶん豪勢だが、両親が“特別な”水を買うのにどの程度経済的な負担を負っているのか、という重要なあたりはボカしてある。
高良健吾や黒木華といった人が入信しているあたりも、イメージアップ戦略を先取りしているみたい。

本来「まとも」な世界の代表であるべき学校の岡田将生のイケメン先生の性格のサイテーぶり(下手すると職を失うからああいう態度をとるのもわからないではないが)がコントラストをなす。

おじさんが強引なやり方で宇宙のパワーを込めた水の効能を否定したら逆効果になる、というあたりはいかにもありそう。

芦田愛菜がああいう親を持ってイノセントなままでいられるかどうか、正直危ないと思うのだが。
良くも悪くもカルトの子という扱いにしていない。