prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

10月17日のつぶやき

2020年10月17日 | Weblog

「82年生まれ、キム・ジヨン」

2020年10月17日 | 映画
他人の人格になってしまう、という症状がどういう方向性を持っているのか、変貌する別人格というのが自分の母親だったり、義母だったりと、おおむね先輩の女性たちみたい。

伝統的な儒教社会・男尊女卑社会で理不尽なプレッシャーを受けているのは確かだが、それに対して正面きって別人の仮面をつけて反撃するというのではなく、それに順応していた、順応できていた旧世代の女性になりきるのは、順応したくても現代風に仕事を持って働いている(いた)女性の正面突破を避けた一種の逃避とも思える。

ただ別人格になるという仕掛けが必ずしもドラマを進行させたりヒロイン内部に切り込む原動力になるかというと、出てくる人格がバラバラということもあって、その場その場で止まってしまう感じはある。

さまざまな差別や理不尽な扱いのモデルケースのサンプル集の感もあって、原作は未読だが、韓国女性が当たり前のように受けている抑圧を表に出したという点で画期的らしい。ほとんどそのまま日本でも当てはまるのは呆れるくらい。
韓国にも痴漢(の犯行そのものは見せない節度)とか盗撮ってあるのね。性差別はどこにもあるだろうが、その現れ方がいかにも似ている。

夫はかなり「理解がある」男ではあるけれど、実際に助けになるかというと肝腎なところで腰が引けてしまう感じではある。

チョン・ユミ美人過ぎるわという気はする。明眸皓歯を絵にかいたみたい。

キム・ジヨンというのは姓も名もごく平凡だからつけられた名前らしい。
昔、カナダ人監督クロード・ガニオンが日本でオール日本人キャストで撮った「KEIKO」の主人公の平凡なOL代表がスズキケイコという姓も名も最も平凡なものにしてあったのを思い出した。