GRACEというのはもちろんグレース・ケリーのグレースだが、「優美，優雅，気品，しとやかさ，上品」（Weblio英和辞書）にひっかけているわけだろう。
オープニング、走っている自動車から撮った道のぼけた調子の映像が流れているところから始まるのだが、カメラが移動していくとそれが映画スタジオにセットされたリア・プロジェクション（日本式にいうとスクリーン・プロセス）に投影されていた映像であることがわかり、スクリーンの前に設置されていた車から降りたブロンド女性を顔を見せないまま背後からずうっと移動で追いかけ、控え室に入ったところで鏡に写った女性の顔を初めて正面から捉える。つまり終始ここで物事の「裏」を見せているわけで、以後のドラマの方も優美さの裏のどろどろした政治的かけひきの話になっていく。
小国が大国にどうやって吸収されないで独立を保って生き延びるか、という知恵をメディアやパーティや宗教といったソフトパワーを駆使した工作ぶりがおもしろい。
映画スターのバックステージものとすると、役者が役者が演じる、それも両方有名とあって、違和感は否めない。
ヒッチコックも出てくるが、通りいっぺんな扱い。
母親や夫に対する愛情描写もふつう。
二コール・キッドマンは冒頭からこれでもかというくらいの超クロースアップが何度も出てくるが、あんまりお肌つるつるで目じりの皺とかもないので、かえってデジタル処理か、照明か、実物に手を加えたのか、全部だろうけれどどんな処理をしているのだろうと余計なことを考えてしまった。
モナコって公用語はフランス語なのだが、映画で使われるのはもっぱら英語で、フランス語をグレースが覚えるのに苦心するシーンがある。公妃になったのに言葉覚えなかったのだろうか、と突っ込み入れたくなりました。
（☆☆☆）
本ホームページ
公式ホームページ
グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札＠ぴあ映画生活
映画『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』 - シネマトゥデイ
オープニング、走っている自動車から撮った道のぼけた調子の映像が流れているところから始まるのだが、カメラが移動していくとそれが映画スタジオにセットされたリア・プロジェクション（日本式にいうとスクリーン・プロセス）に投影されていた映像であることがわかり、スクリーンの前に設置されていた車から降りたブロンド女性を顔を見せないまま背後からずうっと移動で追いかけ、控え室に入ったところで鏡に写った女性の顔を初めて正面から捉える。つまり終始ここで物事の「裏」を見せているわけで、以後のドラマの方も優美さの裏のどろどろした政治的かけひきの話になっていく。
小国が大国にどうやって吸収されないで独立を保って生き延びるか、という知恵をメディアやパーティや宗教といったソフトパワーを駆使した工作ぶりがおもしろい。
映画スターのバックステージものとすると、役者が役者が演じる、それも両方有名とあって、違和感は否めない。
ヒッチコックも出てくるが、通りいっぺんな扱い。
母親や夫に対する愛情描写もふつう。
二コール・キッドマンは冒頭からこれでもかというくらいの超クロースアップが何度も出てくるが、あんまりお肌つるつるで目じりの皺とかもないので、かえってデジタル処理か、照明か、実物に手を加えたのか、全部だろうけれどどんな処理をしているのだろうと余計なことを考えてしまった。
モナコって公用語はフランス語なのだが、映画で使われるのはもっぱら英語で、フランス語をグレースが覚えるのに苦心するシーンがある。公妃になったのに言葉覚えなかったのだろうか、と突っ込み入れたくなりました。
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