ヘラクレスが神と人の間に生まれた子ではなくて、強いけれど人間として設定されているのが眼目。
伝説・噂の上だけの英雄が本物の英雄になる話という捉え方もできるが、やたら強いから結果としてはそんなに違いはない。
ドゥエイン・ジョンソンはマッチョなだけでなく柄として善玉感があって、見ようによってはムリな話の展開を納得させる。
一人でみんなやっつけてしまうのではなく、仲間と一緒に闘う設定なのも人間寄り。「七人の侍」に合わせたかと思って人数を数えたが、考えすぎで全部で六人でした。もっとも「キング・アーサー」ではわざわざアーサー王と騎士を合わせて七人にしていたから、根拠がなくてそう思ったわけではない。
予言者を自称する仲間がしきりと死が近いのを予言するがちっとも当たらないのが笑わせる。
悪役の方も半人半獣のケンタウロスかと思うと馬に乗った人間だったりと神話色を薄めている。
普通の王さまかと見せてとんでもない奴だとわかる役にジョン・ハートというのは面白味はあまりないが手堅いキャスティング。
アクション・シーンは群衆シーンでデジタル処理と肉弾戦を混ぜていて、けっこう継ぎ目が目立つがあまり気にならない。大作な割に気軽に楽しめる一編。
先日かなり公開規模は小さかったレニー・ハーリン監督の「ザ・ヘラクレス」がどんな出来だったのかちょっと気になった。それにしても、なんでまた公開時期が続いたのだろう。
英語だと、ヘラクレスではなくてハーキュリーズと発音されているのが妙な感じ。
（☆☆☆★）
家畜人六号【小暮 宏】 @yapoono6
